3.《ネタバレ》 ちなみに主人公の名前である"バラン"とはペルシャ語で"雨"のことだそうですね。雨のシーンは最後の最後。アフガニスタンへ戻る事になったバランが、ヒロインの女の子が乗ったトラックが去るのを見届けた後に降ってきて映画は終わります。
「運動靴と赤い金魚」は、妹の靴を間違って持ち去られてしまったお兄ちゃんが、運動会の景品の靴を勝ち取るために頑張る話ですが、この「少女の髪どめ」は見つめるだけの無償の愛のお話です。なんせ彼女の身辺がお金が無くて苦しんでいる事を知った彼は、自分のIDを売り、お金に換えてそれを、自分からというのではなく、勤務先の社長からだと言って渡すのです!これをストーカーというのは違うでしょう。彼女がミスをした時には庇い、アフガニスタンの人間を許可無くして雇ってはいけない会社に検問が来たときには自分が庇って彼女を逃がします。これだけ一方的にひたすら「捧げる愛」の形があってもいいのではないかな?と思いました。
ヒロインの女の子は一言も喋りません!そしてラスト。彼女が落としてしまった持ち物を一緒に拾うバランを見つめて微かに微笑む。それだけが彼女が表現した彼への気持として映像に残ります。切ないけどこんな時代ですし、こういった映画もアリですね!「ラブストーリーの1つの形」として観ると結構楽しめるかと思います!!
しっかしこの監督の映画は秀作が多いですねー。素晴らしいです。