1.《ネタバレ》 強い風とどこまでも続く平原と砂漠。
パッケージに躍るキャッチコピーとマーク・ハミルに釣られて視聴した本作は予想の斜め上を行く静かなSF。
紳士的なロボットが間抜けな男と共に飛ぶ未来世界は、設定は説明不足だし、展開も唐突なところが多く、登場人物の描写も荒く極端で、見る側を突き放した部分が多々ある。まぁ同監督作品のトロンも似たような所はあったけど。人間だが不完全な主人公と、人間ではない完璧さを持ったロボットとの対比が面白い、そしてロボットがどんどん人間になって行くまでを哲学的に描いて行く大人向けのSFと気付くまで弱冠時間はかかった。
最初はそんな作りに飽きて来るも、だんだん独特な空気感と美術、音楽、そしてロボットの紳士的なカッコよさに引き込まれて行く。
マーク・ハミルも渋い親父でカッコいいですが、終盤は完全に暗黒面に堕ちてますね。特撮も本当にあんな形の飛行機が飛ぶのか不思議です。どういう撮影をしたのか気になります。
ラスト、やっぱり一人一人の行動がロボット以外よくわからないまま終わってしまいましたが、どこか清々しく観終える事が出来た不思議な作品でした。
不思議な気球のスタッフロールも素敵です。