1.日本の年末の風物詩ともいえる「帰省ラッシュ」が大望の映画化・・・って、いったい誰が見るんだ?こんなの。
「渋滞」というタイトルから緩慢な密室劇のようなストーリーを想像していたが、本作から伝わってくるのはむしろ「動」のイメージ。あちらからこちらへの「通過」に作品の力点が置かれている。
「帰りたいのに帰れない」。そこはリンボのような薄く引き伸ばされた中間地帯を思わせる。様々な思いを乗せて夜のグラデーションの中をひた走る車が幻想的だ。
日本人なら誰もが感じる大晦日から正月にかけての神聖な空気がよくあらわれていると思う。しかしまあ、外国人がこの映画を見てもさっぱりわかんないんじゃないかな。