1.実録ギャングもの、といった趣きで、演出は地味な印象、『つばさ』のウェルマン監督もここでは何だかつばさをもがれてしまったかのような・・・。ギャングの姿を少年時代から描いているんですけど、「子供の頃はこんな不良少年でした、大人になったらやっぱりギャングになりました」ってな流れが、どうも貫禄を感じさせない。映画製作の意図はギャングを美化する事ではナイ、という、言い訳じみた冒頭のテロップとも相まって、なんとなーくセコイ印象が。しかし、いかにもあっけなさすぎる最期に至って、その割り切りぶりに確信犯的なものを感じさせ、まあ確かにこういうのもアプローチのひとつなのかな、と。そういうわけで、娯楽味あふれる映画とはさすがに言えない本作ですが、その「実録モノ」風味によって、当時の世の中の風俗なんかがよく反映されており(・・・たぶん)、興味深いものがあります。