2.「でんきくらげ」に次ぐ増村保造監督と渥美マリのコンビ作で大まかなストーリーやほかの出演者も「でんきくらげ」と似たりよったり。でも、「でんきくらげ」に比べるとこちらの方が面白かった。渥美マリは「でんきくらげ」よりはこちらのほうが確かに洗練されている感じはあるけど、増村作品に登場するヒロインとしてはやっぱり何か物足りないという気がする。「でんきくらげ」を先に見ているからか、主人公の父親役で玉川良一が出てきたときはまた同じような役回りなのかと思ったが、今回は「でんきくらげ」のようなワルな印象の役ではなく、笑ってしまうほどのダメ男の役でなかなかいい味を出している。この父親と主人公のやりとりがスピーディーに展開されるあたりはいかにも増村監督らしいし、ラストの余韻の残し方もうまいと感じさせるものの、本作も増村作品としては凡作の感が否めないのが少し残念。(さっき書いたように「でんきくらげ」よりは面白かったのだが。)そういえばヤクザ役で田村亮が出てるけど、田村三兄弟は全員が増村作品に出演経験があるんだなあ。