1.《ネタバレ》 孤高の博士の、誰に対しても遠慮のカケラのない、人の気持ちを斟酌する事も全く無い、人を見下した言動は鼻持ちならないです。彼は悠々と逃亡しましたが、多くの協力者の必死のサポートがあればこそで、ドイツ軍の間抜けぶりもあり、白けた思いになりました。しかし、ラストシーンが救ってくれました。三人との再会を喜ぶ心からの笑顔に、普段は出し惜しんでいるかのような感情を持ち合わせていた事にホッとしましたし、収容所所長との再会を懐かしみふざけ合う姿に、戦争とは個人的に何の恨みも無い者同士が敵味方に分かれて角突きあわせているだけなのだという事を思い出させてくれました。愚かな事態であって、何時までも暴力の応酬を止めず、遺恨を次の世代に伝えていくのは悲惨な事ですね。味わい深いラストシーンでした。