5.《ネタバレ》 なんとなくつけていたディズニーチャンネルでやっていた。南極物語がリメイクされていたとは知らず、驚いたが・・・。まあ、映画は一言で言うと、犬の可愛さと達者な演技を楽しむ作品。頭を空っぽにしてみるのが正解。“お涙頂戴感動映画”を作らない(感動を狙っても“ホロッ”とさせる程度)、悲劇を悲劇にしないのは良くも悪くもディズニーである。
かつて、タロ・ジロ生存の事実は日本中を感動に巻き込んだ。同時に、繋がれたまま死んでいた、あるいは行方不明になった13頭の悲劇が人間の身勝手さの結果として浮き彫りになった。この実話から日本の大衆受けを狙って作った映画が本作のオリジナルとなる「南極物語」。私はあの作品のフィクション部分がいかにもお涙頂戴に脚色されているのが嫌で、好きになれなかった。その観点から言うと本作は「それよりはまし」である。
まあ、一応実話に基づくとうたってる以上(冒頭にその旨、テロップが出る)、あの悲劇からこんな脳天気な映画を作ったらいけないだろう、とも言えるとは思う。私もあの日本映画がなく、実話から直接この映画が作られていたら、怒ったかもしれない。しかし、あのオリジナルとの比較ということで+2点献上したい。かわいそうだからと死ぬ犬の数をぐんと減らし、丸々したハスキーが南極の厳しさなんかまるで感じさせないでチームワークを発揮して順応し、怪獣もどきアザラシのCGで驚かせ、女性隊員を投入し恋愛要素まで入れちゃったディズニーが何故か許せたのは、オリジナルへの反感のおかげである。