メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬

[メルキアデスエストラーダノサンドノマイソウ]
The Three Burials of Melquiades Estrada
(Les Trois enterrements de Melchiades Estrada)
2005年上映時間:122分
平均点:5.95 / 10(Review 21人) (点数分布表示)
公開開始日(2006-03-11)
ドラマ
新規登録(2006-03-13)【rothschild】さん
タイトル情報更新(2017-06-03)【イニシャルK】さん
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監督トミー・リー・ジョーンズ
キャストトミー・リー・ジョーンズ(男優)ピート・パーキンズ
バリー・ペッパー(男優)マイク・ノートン
ドワイト・ヨーカム(男優)ベルモント
ジャニュアリー・ジョーンズ(女優)ルーアン
メリッサ・レオ(女優)レイチェル
セシリア・スアレス(女優)ローサ
ギジェルモ・アリアガ(男優)ジュアン
リヴォン・ヘルム(男優)盲目の老人
菅生隆之ピート・パーキンズ(日本語吹き替え版)
咲野俊介マイク・ノートン(日本語吹き替え版)
相沢まさきベルモント(日本語吹き替え版)
脚本ギジェルモ・アリアガ
音楽マルコ・ベルトラミ
撮影クリス・メンゲス
製作トミー・リー・ジョーンズ
製作総指揮リュック・ベッソン
配給アスミック・エース
美術ジョエル・ハーロウ(死体造形)
その他ピート・アンソニー(指揮)
あらすじ
米国テキサス州、メキシコとの国境沿い。不法入国者のメキシコ人カウボーイ、メルキアデス・エストラーダの死体が発見される。彼の友人であったカウボーイのピートは悲しみに暮れるが、犯人が国境警備隊員のマイクだと知り彼を拉致誘拐する。そして「俺が死んだら故郷ヒメネスに埋めてくれ」というメルキアデスと生前に交わした約束を守るため遺体とマイクを引き連れ、ヒメネスへと旅立つのだが・・・。  トミー・リー・ジョーンズの劇場用映画初監督作品。
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9.《ネタバレ》 トランプ大統領の政策の大きな柱のひとつとしてアメリカの不法移民問題が脚光を浴びていますが、遡ること10年以上も前にこの問題に取り組んだ作品があったんですね。
本作が良心的だと思ったのは、政治的な正しさには特に言及していない点です。特に昨今の議論では不法移民がかわいそうという点のみがクローズアップされていますが、これを取り締まるアメリカ側にも、そうせざるをえない事情があるわけです。本作はその構造上、不法移民に寄った視点でのドラマにはなっていますが、これを取り締まる国境警備隊を過度に敵視したり、「アメリカ社会はもっとこうあるべきだ」というお節介な主張を挿入したりせず、人間性というレベルのみでこれを取り扱っています。
銃撃を受けたメルキアデス・エストラーダの死体が発見されたが、不法移民だからという理由で当局は真剣に捜査しないし、国境警備隊員のマイクが撃ったということが判明しても、みんなその事実を有耶無耶にし、さっさと遺体を埋葬して事件と一緒に葬り去ろうとしている。これを受けた主人公・ピートはメルキアデスを故郷に埋葬してやろうと行動を開始しますが、その動機って犯人であるマイクに対する怒りとか、アメリカ社会への失望とか、メルキアデスに対する友情とか、そういうものではないように思います。
それは人としてのマナーというか、彼の遺体を隠滅すべき邪魔な証拠程度にしか考えていないアメリカにメルキアデスを葬っておくのはあまりに忍びないから、彼の尊厳が守られる場所に埋葬してやろう。そして、アメリカでメルキアデスにもっとも近い立場にいたのは自分だから、この自分がやるしかないと、この程度の動機だったように思います。だからピートはメルキアデスへの思いを口にしないし、殺されたことへの怒りの素振りも見せません。行動を共にすることが多かったためメルキアデスとの思い出こそあったものの、個人的な思い入れはさほどなかったのではないかとすら感じました。
そんなこんなで旅を始めたのですが、生前のメルキアデスが語っていたヒメネスという土地はなく、家族写真も赤の他人のものであり、ピートが伝えられてきたメルキアデスの人生は彼による夢想の産物だったことが判明します。メキシコでのメルキアデスの人生は本人が封印を望む程度のものであり、だからこそ彼はたった一人でアメリカにやってきたのであろうことをピートは認識します。これ以上、生前の状況を詮索するとかえって故人の尊厳を傷つけてしまうという状況に直面し、おそらく内心では「お節介なことしてごめんなさいね、メル」なんて思いながら、なんとなく良さそうな場所を見繕って遺体を埋葬します。このドラマがまさかこんな終わり方をするとは思わなかったため、この結末には良い意味で呆気にとられました。
身寄りのない人間の死と尊厳というテーマには意外と普遍性があり、例えば私は日本の独居老人に当てはめて考えました。独居老人の遺体は社会的には処理に困る厄介な代物であり、何の思い入れも無くひっそりと荼毘に付されますが、一人の人間の最期においてこの扱いはあまりに悲しすぎます。他方で、身寄りがない人にはそうならざるをえなかった負の歴史もあり、例えばヒューマニズムに燃えた他人がそうした負の歴史を詮索して回ることは、かえって故人の尊厳を傷つけます。一人の人間の死とどう向き合うのかという問題について、本作はなかなか意義のある考察をしているのです。
そういえば、本編中には旅の最中のピートが突然思いついたかのように主婦売春をしているレイチェルにプロポーズするというくだりがありましたが、これは旅の過程で人の尊厳を守ることの大変さに直面し、翻って自分が死んだ時にこれほど手を尽くしてくれる人がいるという自信がなくなったピートの不安の表れだと解釈しました。結局、このプロポーズは断られましたが、その過程が、ピ「いつも俺が一番って言ってくれてるじゃん」レ「それは客と風俗嬢という関係があってのことで…」みたいな悲しい風俗あるあるだった点には笑わされました。それまでクールだったピートにもこんな無様な一面があるという点が、後に明かされるメルキアデスの情けなさにも繋がるわけです。
上記の通り非常に優れた趣旨を持つ作品ではあるのですが、多くが語られない内容に対して上映時間が妙に長く、見ていて退屈させられたこともまた事実。意義のある映画ではあるものの、面白い映画ではありませんでした。また、主婦売春をしていたマイクの奥さんが(ジャニュアリー・ジョーンズが超美人!)生前のメルキアデスと関わっていた件など、何かの伏線かと思いきや後の展開に一切影響を与えない無駄な要素もあって、上映時間が無駄にかさ増しされているような印象も持ちました。
ザ・チャンバラさん [インターネット(字幕)] 6点(2017-09-01 18:21:18)
8.どこでも映っているアメリカのテレビ、そのノンキさの対照のように映画には腐臭が漂う。『ガルシアの首』はボスの怒りゆえだったが、こちらは友愛ゆえ、でも死臭漂う執念を見せるのは同じ。腐敗を見せつけることも裁きの一環か。罪に向かわせる旅となった。いつのまにか師弟のように見える二人、ってジャンルの映画があるな。男の映画として一つの型になっている。盲人の農夫のエピソードが好き。食料を届けるせがれはガンで死んだらしい。何かしてほしいことは? に対して、撃ってくれ、と言う。荒涼とした生がここにはある。あとで国境警備隊が来たときは、欲しいものは? に対して、ない、とキッパリ言う。心の通う者と通わぬ者との違い。メキシコの乾いた風景がこの物語にふさわしい。
なんのかんのさん [DVD(字幕)] 6点(2013-09-29 09:54:50)
7.《ネタバレ》 途中まではなかなか時間が長く感じていたが、旅に出たあたりからはアッという間に終わったと感じるくらい夢中になった。ピートのやり方に対してやり過ぎじゃないかとも思ったが、それ故にマイクの贖罪意識は高まっただろうし、辛い数日間を過ごしたからこそ罪悪感が和らいだ部分はあったと思う。またマイクの最後の様子を見るに、本当の人の繋がりを感じたように見え、何か救われた気持ちになった。命の重さについて考えさせられる深い作品です。
さわきさん [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-02-11 01:26:04)
6.《ネタバレ》 まさかこんな話に展開するとは思っても見ませんでしたが、トータルで考えると悪くない出来かな。ただ、いくら親友の頼みでもあれはやりすぎでしょ、少なくとも共感は出来ない話でした。時間軸を変えたことは個人的に正解だと思った、話が話なだけにそのままだと退屈してたと思う(混乱した人はさらに詰まらなくなるが)。一番よく分からなかったのがメルキアデスの嘘、ピートも彼の誠実さゆえの行動のはず、何で家族や架空の村の名前を話をしたのかサッパリ意味が分からなかった、村らしきものはあったけど、スッキリしない。救いはマイクを許したとこかな、ピートが最後にただの異常者で終わらないでよかった。内容はたいしたことはないが国境を越えるシーンの景色がなかなかよかったので+1
taka-104さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-10-21 21:49:44)
5.《ネタバレ》 かなり特異なシチュエーションのロードムービー。個人的には楽しめたがどうもキャラクターの描き方が甘い気がする。まずマイクは極悪人ではない事が疑問。メルを殺してそれを隠した事に変わりないがあれは事故であり、彼の意思ではない。マイクが国境を越えた女性の鼻を折るというシーンがあるがあまり機能してない。自分の意思で鼻は折るが自分の意思で殺しはしないだろう。またピートに関してもメルとの友情の描写が唐突で彼の動機に疑問が残った。前半の時間軸の複雑な構成も、斬新ではあるが理解しがたい。中盤、終盤は普通に話しが進むので必要なかったのかもしれない。
サムサッカー・サムさん [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-03-21 12:56:22)
4.一見すると、罪をおかした人間が悔い改めたように見えるが、じつは主人公の暴力に屈しただけという見方もできる。いかにもアメリカ的な解決方法で、罰を与えた本人のみがカタルシスを得ている。ようするに、殺すか?それとも赦すか?という以前に「何ゆえにお前が裁くのだ?」という疑問を持ってしまう。もし人を裁くことについて監督に質問をしたら「親友だからその権利はある」と答えるのだろうか?これを見ていると、「友情」という1つのテーマは、単に罪をおかした人間に罰を与えるための手段に過ぎない気がしてならない。ちなみにアメリカという国は常に何かに対して「許さねえ!やっつけてやる」と叫んでいる。その怒りの源泉は分かりやすくいうと「義憤」である。本作の主人公の奇怪な行動もシンプルに説明するならばそれは「義憤」になる。日本人からすれば、たったこれだけの理由で?と思われる義憤でアメリカ人は時々激しい攻撃性を発揮する。しかもそれは自己陶酔をおびた義憤だから始末に終えない。主人公の老カウボーイはまさに典型的なアメリカ人を表現していた。
花守湖さん [DVD(字幕)] 6点(2007-09-19 18:57:35)
3.《ネタバレ》 やっぱり南米の映像は美しいですねぇ。なんだか非生産的で全然活気が無くて暇だからって、浮気してたりする人達が住んでる、どーしよーもない乾いた町が舞台です。ホントある意味救いようもない。そんな町だから人を殺しても、その人が町の人間じゃなくて、不法移民でよそ者だったりするから、なーなーで揉消したりするのが、当たり前のようになってたのかもしれない。そんな胸が悪くなるような町のシーンの連続ですが、目が見えなくて食料を運んでくれてた息子が来なくなって「お願いだ。その銃でわしを撃ってくれ」と言ってた老人が、国境警備隊が来たときに「何か必要なものがないか」って聞いたときに「ない」って言ったシーンが一番辛くなりました。この映画は全体的に背景に絶望を映し出してるけど、最後の一言で、暗く沈んでいた観客を救ったカンジに仕上げたのですね。だからこそ、好みが分かれる映画です。
さらさん [DVD(字幕)] 6点(2006-12-11 10:49:32)
2.ちょい悪おやじはカッコイイですね。
たまさん [映画館(字幕)] 6点(2006-04-03 22:55:55)
1.《ネタバレ》 「トミーさ~ん、あんた何もそこまでせんでもええんちゃう??」っていうクエスチョンマークがこの異様に渋いロードムーヴィー全編を通して、自分の中で澱のように引っ掛かるのを感じてしまいました。一番肝心なメルキアデスとの友情が成り立っていく過程をうまく呈示してくれないので、主人公の行動と動機がよく呑み込めないんですよ。その回想シーンの挿入に若干不備があるのを除けば、トミー・リー・ジョーンズの初監督は水準を遥かにクリアしている腕前かと思います。街を出ていった奥さん同様、自分もあの場所にいたら一週間も耐えられんと思うなあ・・・。「寂しい草原に埋めてくれるな」っていう「駅馬車」のテーマ曲を不意に思い出して口ずさんでしまいました。
放浪紳士チャーリーさん [映画館(字幕)] 6点(2006-03-17 13:00:50)
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【点数情報】

Review人数 21人
平均点数 5.95点
014.76%
100.00%
200.00%
300.00%
429.52%
529.52%
6942.86%
7419.05%
829.52%
914.76%
1000.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 9.25点 Review4人
2 ストーリー評価 6.00点 Review4人
3 鑑賞後の後味 6.00点 Review4人
4 音楽評価 6.33点 Review3人
5 感泣評価 4.33点 Review3人
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