2.《ネタバレ》 テレビシリーズ視聴済です。マジンガーZとガンダムとエヴァンゲリオンと宇宙戦艦ヤマトと勇者シリーズの良いとこ取りをして、その上、オタク臭い小理屈を抜いて子供でも理解可能なアニメを作る。そんなことが可能なのかと思いますが、それをやってのけたのが『天元突破グレンラガン』なのでした。それだけ充実した内容だけあって、テレビシリーズはどのエピソードも濃厚100%。通常のアニメであれば3~4話を費やすであろうエピソードを1話に詰め込むという展開もザラであり、すべての回が1秒たりとも捨てる場所がないほどに作り込まれていました。。。
そこに来て、この劇場版です。テレビシリーズの前半13話を2時間に編成し直した内容なのですが、当然の如く、これ単品で『グレンラガン』を理解することは不可能です。製作側も一見さんお断りの姿勢を明確にしており、黒の兄妹やロシウといった重要人物との出会いをダイジェスト処理で済ませるなど、なかなか思い切った端折り方をしています。では、この映画の存在意義は何なのかと言うと、それは、サブキャラのエピソードを大幅に切り捨ててシモンの成長物語に特化したことで、テレビシリーズ以上に男気溢れる作品となったこと。さらには、ドルビーデジタルによりブラッシュアップされた音響や、クライマックスにおける四天王の合体ダイガン「ドテンカイザン」の登場など、映画版ならではの楽しみも追加されており、ファンサービスも程々になされています。テレビの視聴ありきの不完全な総集編なので全面的な支持は与えられませんが、これはこれで楽しめる映画ではあると思います。