1.松竹映画において、昭和の人気シリーズと言えば「男はつらいよ」であるように平成の人気シリーズと言えばこの「釣りバカ日誌」シリーズである。普段、映画館になど行きそうにもないお歳よりまでもがこの映画を楽しみに映画館に足を運ぶ。それは何故か?「釣りバカ日誌」このシリーズにはこういうご時世だからこそ見て笑って、嫌なことなど全て忘れようではないかというものが見える。だからこそこのシリーズはここまで長きに渡って撮られてきたのではないだろうか!私もこのシリーズ、毎回映画館で見てはいるけれど、寅さんシリーズ同様、初期の頃の方が好きだし、楽しめた。それでも何故だろう?必ず劇場で観ようと決めて映画館で見て来たのは、それはやはりこのシリーズが好きだからである。どんなに出来は良くなくてもどこの誰だかも知らない人達と同じように映画館の中で笑い、みんな、私と同じでこのシリーズが好きなんだなあ!て思うとそれだけでも何だか嬉しくてたまらない。遂にこのシリーズも今回をもって完結か!て思うと見終わった後に寂しさを覚えてならなかった。映画が終わって最後にこの作品に出演したみんなが出てきて握手したり、抱き合っているのを見て、良いなあ!て思った。西田敏行の浜ちゃんと三國連太郎のすーさん、このコンビは最高です。本当に今までありがとう!そして、お疲れ様でした。作品としての面白さや他にも不満も多い。出来ることなら最後ぐらいは石田えりの初代みちこさんや初期の頃に出ていた鈴木建設の社員でもあった戸川純や山瀬まみの姿も見たかったなあ!いずれにせよ、寅さんシリーズが終わり、釣りバカシリーズも終わり、松竹映画のドル箱シリーズが共に完結してしまって、これからの松竹、いや、日本映画界はどうなるのかなあ?これで「男はつらいよ」「釣りバカ日誌」しか観ない人達が劇場から遠ざかるなんてことのないよう頑張って欲しい。三國連太郎の年齢のことを考えるとこれ以上続けて行くのはしんどいだろうけど、三國連太郎には渥美清、森繁久彌といった昭和を代表する名優二人が居ない今、二人の分まで長生きして欲しい。心からそう思う。いつまでも長生きして下さい。