1.《ネタバレ》 強引に点数を付けるとこの程度となるが、点数を付けにくい映画。
満点を付けてもいいかもと思うほど、ある種のレベルを超えている映画でもある。
ぶっちゃけると1割も理解はできなかったと思う。
何を描きたいのかについては、ボンヤリとしたイメージしか伝わらず、言葉で表現するのは難しい。
“死”“生”“人生”についての映画なのかな程度としか言いようがない。
“自分”というものは、存在しているようで存在していないものなのだろうか。
ただ、この不可思議さや難解さは、「フザケルナ」と頭にクルようなものではなくて、どこか心地よさを感じられるものだ。
描かれている事象はそれほど難解ではないので、まったく飽きることはなく、不可思議な世界に酔いしれることができる。
“緑の○○○”“燃えている家”など、あまり意味など深く考える必要はなく、何も考えずにアタマを映画に委ねた方がよさそうだ。
終盤でリアルな“現実”が明らかになり、種明かしでもあるのかと思っていたら、そういうこともなく、“混乱”させたままスパッと観客を突き放す辺りも常人とは思えない発想。
“現実”や“虚構”と考えること自体が凡人の発想なのかもしれない。
映画に描かれた世界は、全てが“現実”であり、全てが“虚構”でもあり、又はどちらともいえない第三の世界と捉えるのが、カウフマンの発想なのだろうか。
毒にも薬にもならない映画に見飽きている人にはおススメできる映画に仕上がっている。
それにしても映画監督はこういう難解な作品にチャレンジしたがるものなのだろうか。
初映画監督作品でこのような作品を作ってしまう、カウフマンはやはりとんでもない奇人だ。
次回作も楽しみだが、いきなりハードルを上げてしまうと飛び越せなくなってしまう。
カウフマンのことだから、またいい裏切りをしてくれそうだが。