1.時期的には2007年のポリス再結成に合わせるように発表された、スチュワート・コープランドによるポリス回顧録。
作中でコープランドが話していますが、少し売れてきて余裕が出てきた頃に買ったという
自前のスーパー8で撮影された映像を軸に構成されています。
それだけにお世辞にも画質がいいとは言えず、撮影技術云々も度返しして見る作品です。
ポリスを結成した頃から全米、そして世界中で人気が不動のものになる頃まで。
粗削りだった小規模のステージからビッグなステージに変わり、移動手段も小さなバンから専用機に変わり
衣装やステージでのお行儀も良くなっていく。そしてメンバーそれぞれの心境にも変化が芽生えてくる。
ポリス結成時から、1982年頃までの映像、エピソードで構成されています。
よって代表作である83年発表のアルバム〝Synchronicity″と代表曲である〝Every Breath You Take″は収められていません。
そして、その全盛期の真っ只中にポリスは解散してしまうのですが、
解散が現実のものとなっていた83年のことについては触れたくなかったのかもしれません。
しかし、82年の時点で別れの時が近づいていることを匂わせる最後のコープランドの言葉は印象深い。
映像は正直、見づらい時間帯もあるし、そもそもポリスが好きな人しか見ない作品であり、
同じポリスのドキュメンタリーでもアンディ・サマーズによる「サヴァイヴィング・ザ・ポリス」の方が
ドキュメンタリー作品としてはまとまっています。
しかしその粗削りな映像とエネルギッシュな特に初期のポリスの活動の軌跡がうまく相まった作品になっています。