1.良い歳をして働きもせず、小学校時代からの親友とつるんで火炎放射器や火を噴く車を作ったり、「俺の考える世紀末」をテーマにイラストを描き溜めたり、「世紀末が来たらどうする?」と妄想を語り合ったりするオタクが主人公の映画。どうやってもコメディにしかなりえない素材なのですが、これをシリアスな映画として撮っていることが本作の新機軸です。この切り口はかなり斬新で、「今までになかった映画」と称することはできるのですが、その副作用として観客の許容範囲を大幅にフライングしている箇所がいくつもあって、ドラマとしては特に感じるものがありませんでした。前半が異常にチンタラしている割に後半ではあるべき描写が不足していたりと、映画全体のバランスもあまり良くありません。良くも悪くもインディーズならではの荒削りさが出てしまったようです。。。
低予算ながら、俳優陣はみな素晴らしいパフォーマンスを披露しています。主人公ウッドローを演じるのは本作の脚本・監督も務めるエヴァン・クローデル。トム・クルーズ似のそこそこイケメンなのに、何かが欠けているせいで絶妙なダサさや田舎臭が漂っています。絶妙な欠け具合といえば、彼の恋人ミリー役のジェシー・ワイズマンもなかなかのもので、パっと見は美人ではないし体も弛みまくっているのですが、じわじわ来るエロさが役柄に大変な説得力を与えています。登場した時には「えらく残念なルックスだな」と感じたのですが、徐々に良い女に見えてくるのだから不思議なものです。