1.《ネタバレ》 冒頭のカンヌ受賞シーンに不覚にも感動しましたが、感動についてはここがピークでした。
誤解を招くようですが、これは普通にいい作品だと思います。普通に。
ストーリーは淡々と進みますが雰囲気はいいです。
ただ、安易に過剰な演出に頼らないのはいいのですが、もう少し盛り上げどころがあってもいいのでは?と思いました。
あの看護師宅の場面なんかもう少しお涙頂戴やら責立てるやらないことには、何のために入れたのかよくわかりません。
また、福山雅治は設定のため仕方ないと思うのですが、抑揚がなさすぎました。
現代の「悪い父親像」としては、淡々としたところにリアリティがあるのかもしれませんが・・・。
一方、もう一人の父親がいい人物かといえばそうでもなく、初対面での態度、言動、行動をみれば、突然正論をかますもののあまり説得力は感じませんでしたし感情移入できませんでした。
なんだかんだで一番思ったことは、子供に関しては結局のところ母にはかなわん・・・ということです。
このため、今回の父親役は相当難しい役どころだったと思います。
実際、途中オノマチが主役でいいんじゃないかと思いましたし、終盤に出番が減らなかったら父親が霞んで見えたところでした。
さすがに終盤は福山メインでしたが、決定的に感情が傾いた何やら爆発したようなシーンはついになく、肝心の「父」になった変化があまり感じ取れませんでした。
タイトルの意味は「そして、これから父になれるよう努力してみます」といった風に受け取っています。