2.《ネタバレ》 この種のプロットのサスペンス映画は昔から山ほどあって正直新鮮味はないんですけど、リチャード・ギアとスーザン・サランドンがあまりにハマっているのでそこそこ観られました(スーザン・サランドンは、最近はこういう有閑マダムみたいな役が多いですね)。大抵なみの映画だと、ギアが邪魔になった黒人青年を殺害していっそうドツボに嵌まってゆくというパターンなんですが、そこは脚本にちょっと工夫の跡がみられますね。冒頭から何度も出てくる慈善パーティへの寄付の催促があのラストのシーンに繋がってゆくところは、脚本も書いているこの監督さんまだ若いのになかなかやるな、と感心しました。アメリカの上流社会には付き物のチャリティがけっこうきつく皮肉られる終わり方で、タイトルを“Vanity Fair”とでもしたらピッタリだったと思います。邦題はかなり内容とかけ離れてるという感じです。