1.《ネタバレ》 リバー・フェニックスが撮影中に急逝してしまったため、お蔵入りとなっていた作品。
大病を患った監督が、何とか生きているうちにリバーの最後の姿を世に送り出したかったのだと監督自身が冒頭で語っています。
例えるなら、2本脚の椅子だと。
そこにもう1本脚を付け足して3本脚にして何とか立てる状態にしたと。
しかし4本目の脚は永遠に欠けたままだと監督が語る作品です。
とある俳優夫婦が週末ドライブ中、砂漠の真ん中で車が故障してしまい、
何も無い核実験跡地の荒野の一軒家に住むリバー演じる青年、ボーイに助け出されるところから話が動き出します。
美しくもどこか影があるところを感じさせる本作のリバー。やはり存在感があります。
ボーイと夫、ボーイと妻、それぞれの関係を描いたサイコサスペンス。
ボーイの妻は癌で早死にしたというから、恐らく被ばくが関係していると思われます。
また、先住民族の血をひくという設定ですが、これらの設定はあまりうまく機能していません。
これは仕方が無いのですが結構肝心と思われる所がナレーションになっており、
やはり4本目の脚が必要な部分があったのかもしれません。
「スタンド・バイ・ミー」や「マイ・プライベート・アイダホ」のラストのリバーの姿。
今にこれらの作品のリバーの姿を見直すと、何とも言えない感傷的な思いが湧いてきます。
そして本作の最後のリバーの姿についても、それらと同じ思いが湧いてくるのです。