1.《ネタバレ》 いわゆる東映時代劇ポルノでもかなり後期の作品。時代の進展により初期と比べるとエロ度のパワーアップはかなりのレベルに達しています、なんせにっかつロマンポルノという強力なライバルが登場していますからね。というわけで今回はカネをかけていますね、なにせヒロイン(なのかな?)におフランスからあのサンドラ・ジュリアンを呼んできました。サンドラ・ジュリアンと言えば日本でだけ人気が爆発した伝説のポルノ女優、もちろんリアルにスクリーンで観たことはなく自分は今回が初体験です。しかしよく見るとボディに関しては良く言えば日本人向きという感じの大人しさ、やはりウケたのは清純的と言えなくもないルックスなんでしょうね。初期のポルノ映画界隈ではやはり欧州系の方が日本では流行ったみたいで、ケバケバしい女優が多いUS製はまだ刺激が強かったんじゃないでしょうか。たしかにサンドラよりも一緒に登場する無名の黒人女優の方が、目を奪われるナイスバディでしたからね。そんなサンドラをお殿様に献上する豪商・博多屋を演じるのが渡辺文雄、サンドラとはフランス語で会話したりしてさすが東大卒だけあって様になっています。でもなんでフランス娘が江戸中期の日本にいるの?それはね、彼女は処刑されたフランス人宣教師の娘だからよ、っていう設定みたい。はぁ、女人禁制の宣教師になんで娘がいるの?なんて突っ込むのは野暮ってもんですよ(笑)。エロ以外にもサービス精神過剰なのか、女性の作法通りの切腹まで見せてくれます。この映画は切腹シークエンスの演出に見られるように、とてもコメディとは思えない重い撮り方をところどころでしているんです。あとバカ殿の近習若侍や途中から登場する山城新伍の様に、ふつうはストーリーの核になるようなキャラが途中で消えちゃんですよ。まさか監督は、この映画を群像劇のつもりで撮っていたのかも(笑)。 まあ基本はそのぶっ飛んだバカバカしさを愛でる類の映画ですけど、下品さくだらなさの陰に意外と製作当時の状況をシリアスにぶっこんだ脚本でもあります。バカ殿が押し付けるセックス禁止令・法令175條とは猥褻物頒布等の罪・刑法175条のパロディであるのは明白。ラストの字幕ももろにその反175条のスローガン。でもこんなおバカ映画で気勢を上げても、説得力ないんですけど…