1.《ネタバレ》 とりあえず昔見た出崎版のTVシリーズの思い出はすべて封印し、完全に別作品として見るならば、これはこれでアリだとは思いました(そうは言っても思い出してしまいますが)。かつて幼児にトラウマを植え付けた宿敵ノロイの不気味さ・恐ろしさは、時代の変化とともに若干オネエ気味の野村萬斎のねっとりした演技で、前作とはまた違った怖さを具現化しており、劇場に来ていた子供たちからわき起こる悲鳴がそこかしこから聞こえました。登場キャラもストーリーも思いっきり整理し、6匹・90分でまとめたのは大英断。尺が短い割には話としては面白くまとまっています。若干ボリューム不足の感もありますが、まあでも本来子供向けの作品ですし、大人がTV版の思い出補正で文句つけるのは筋違いでしょうけどね。昨年度声優アワード主演女優賞の神田沙也加の演技は(声優学校に通っていただけあって、話題作りのタレント起用と較べれば段違いでしたが)、やはり実力派揃いのキャストの中では若干浮いてる気も。かつてのガンバである野沢雅子さん、かつてのノロイの大塚周夫さん(今年逝去)の子息の明夫さんのキャスティングは、かつてのファン向けのサービスもあるのでしょうかね。エンディング曲…何かジブリっぽいけどどっかで聞いたことあると思ったらオザケンだったとは。倍賞千恵子が歌うと全然違う歌に聞こえますな。