1.《ネタバレ》 何ともお久しぶり、ピーター・ボグダノヴィッチの新作です。
ですが、"cheek to cheek"のフレッド・アステアの歌声から始まるオープニングといい、
矢継ぎ早に小噺のようなシーンを挿入してくるニューヨークを舞台にしたラブコメ群像劇的作風といい、
断片的に幾つかのシーンを見せられて、「ウディ・アレンの最新作です」と言われれば納得してしまうくらいに
ウディ・アレン・タッチのコメディとなっています。
また、高級ホテルの部屋を登場人物が出たり入ったりは、ボグダノヴィッチ監督作である
「おかしなおかしな大追跡」を思い出します。
ボグダノヴィッチの代表作である「ラスト・ショー」と「ペーパー・ムーン」でスターの座を掴んだ、
シビル・シェパードとテイタム・オニールが顔を見せてくれます。別に誰が出てもいいような役でのご出演ですが、
この2人にとっては恩人ともいえるボグダノヴィッチの久々の新作に声がかかったのは嬉しかったんじゃないかな。
フレッド・アステアに、さりげなく台詞の中に登場するオードリー・ヘプバーンにラストには巨匠ルビッチが・・・。
ボグダノヴィッチがその昔、夢中になって見ていたのであろうハリウッドのレジェンドへのオマージュも。
90分の中に色んなお楽しみが挿入された名匠ボグダノヴィッチの久々の新作、一番楽しんだのはボグダノヴィッチ自身なのかもしれません。