2.《ネタバレ》 ひたすら杉咲花の映画って感じで、彼女の表情を捉え続けるカメラが良かったです。彼女の真っ直ぐな瞳と周囲から異彩を放つ佇まいが目に焼き付きます。
キムタクは彼女と対比させるために、なんだか汚らしく血みどろで、損な役回りではありますが、それはそれで趣があって。
福士蒼汰はどうしても演技がつまらないのですが、アクションは頑張っていました。戸田恵梨香は設定ほどには弾んでなくて、いい時と悪い時で言うと残念ながら今回は悪い時の戸田恵梨香だったかなぁ。彼女はスタッフのウデに因るのか、作品によって印象が極端にころころ変わっちゃう。
そして今回は丁寧な方の三池崇史。なので良い画がいっぱいあって、特に光と影のコントラストを強調した画作りに、これはなかなか、って。でも、その丁寧さが仇になったのか、会話部分の尺が長くて、会話→アクション→会話→アクションのサイクルが延々と繰り返され、最初は情感を味わえたものの、段々と苦痛になっていって、もう少しテンポアップしてくんないかなぁ、と。
また、アクションシーンにしても、敵の圧倒的な数を相手にする、っていうのがやり過ぎ状態で、ただひたすら敵を倒すだけの状態に尺を取られ過ぎ。物語に結び付いてゆかないアクションのインフレ状態が映画の進行を停滞させちゃってます。
物語は後半になるに従って、単純な仇討ちだけではない複雑な構造になっていって、明快さを欠く感じになって。市原隼人など、映画の流れの中にはジャマな存在なんじゃないかとすら思いました。
もう少しキャラクターとエピソードが整理されて尺も15分くらい短くなっていたら、もっともっと楽しめたんじゃないかと思います。