2.《ネタバレ》 公開初日に吹替版にて。
予告を見て、ダメだこりゃと思ったが、似せようとして失敗した作品ではなく…よく頑張って作った感は伝わってきた。
だが、マンガ原作をソリッドに再構築した押井アニメが先に存在している以上、そのままでは驚きがない。
ドラマに共感させる為に世界観もコンパクト化されており、後半はもうサイバーパンクとは言えなくなってしまう。
原作が持っている未来考察の多様性や、押井アニメには残されていた哲学性・カルトな魅力を削り、
解りやすく底の浅い自分探しに帰結させたのは如何なものか…
邦画とは比較にならない大予算を投じたにも関わらず、
映画の顔である光学迷彩で主人公が消失するシーンに驚きがなく、多脚戦車のVFXもレトロに見え、全体に小粒な感じが否めない。
この規模でハリウッド映画になった意義が大きいと思うだけに、もっと、目新しいビジュアルを連発して欲しかった…
吹替に関しては、それで観て正解だと思った。ただ、大木民夫氏の不在だけが残念。
荒巻役=ビートたけし本人の声そのままというのは正当ではあるが・・他が全員アニメのオリジナル声優では、どうしても浮いてしまう。
吹替版でも字幕が出るので、字幕版でも荒巻はたけしが日本語で話してるんでしょう。桃井かおりは吹替えでしたが…
Blu-ray用に追加録音して、完全なアニメキャストの吹替バージョンを特典にしては如何でしょう。