1.《ネタバレ》 話題作だった「新感染・ファイナルエクスプレス」の前日譚で同監督とのことで興味を引き鑑賞。
ゾンビものでアニメは初めてだったが、ゾンビの描写も雰囲気はよく出ていて、違和感は感じなかった。
特に「最初の1人」が感染し、人びとが戸惑いながら訳も分からず逃げ惑い、ついには爆発的な感染拡大に至る……
というゾンビドラマお決まりの流れを楽しむことができた。
本作の特徴は、アニメ作品であることに加え、ソウル駅で寝泊まりするホームレス、主人公の元風俗嬢とその父(終盤に一捻りあるが)、そしてヒモ男といった、やむを得なく社会の底辺にいる人びとをメインに描写していることであり、なおかつバッドエンドともいえるラストまで救いがなく、画面には終始悲しさと切なさが漂う。
ひとたび災害に出会うと、社会的弱者が真っ先に被害を受けるという構造を問題提起しているようにも思えた。
ともあれゾンビ映画が好きならば、観て損はないと思える作品だった。