3.NYのロシア料理店に集う人々が織りなす人情喜劇的作品をイメージさせるような邦題ですが、
邦題にあるロシア料理店は確かに存在するもののさほど重要な位置づけではなく、
思いのほか主要な登場人物が抱える事情は重く、コメディ的要素は少ない作品です。
寒さが厳しい冬のニューヨークを作品の舞台に、
人生がうまくいっていない一時期を生きる登場人物たちの人と人のつながり、
善意のつながりが暖かい作品でもあります。
登場人物のつながりの中心的位置づけになっている看護師アリスの存在がいい。
一方でそれほど重要な登場人物ではないビル・ナイですが、そこにいるだけでいい、
本作でもこの人ならではの、脇を固める味わいのある存在感を醸し出しています。