1.《ネタバレ》 幕末という時代の大きな変わり目。そこには正義などない。求めるものは、カネと権力と女、そして自由。そこには庶民の生きる逞しさがある。終盤、「ええじゃないか!ええじゃないか!ええじゃないか!」と共に、虐げられられる者と支配者が対峙するが、結局は武力により鎮圧されてしまう。
庶民の群像劇なので、個々の物語に深みはなく、散漫としているのだが、英雄たちだけではなく、こういう大衆・庶民によってこの国の歴史は作られてきたのだなあと思わせるものはある。物語というよりも、時代の変化やウネリ、それに伴って生じる大衆パワーを感じる作品かな。現代では国会前でデモが行われてはいるが、一応自由で平和だしエネルギーが爆発する程の抑圧もないのだろう。この成熟した社会においては本当の戦争にでもならない限り大衆パワーは爆発しないのかもしれない。