1.関西を舞台に中高生を描かせたら井筒和幸の右に出るものはおらん。たぶん監督自身の経験が反映されているのだろうと思うのだが、いちいちリアルなのだ。在日朝鮮人の存在は在日朝鮮人がいる風景が日常だから。喧嘩も日常。喧嘩の仕方も虚勢のはりかたもゲーム喫茶も商店街もものすごくリアル。そんな世界から暴力の行き着く先、ヤクザの世界がクサイ虚構性をもって描かれはじめると途端にガキたちは非リアルなかっこよさを身に着ける。こうなってくると後半はどこかチープ。同じチープでもそのチープさが前半は魅力でもあったのだが。とくにラストあたりには人が死にすぎてついていけない。ドラマチックすぎて面白さが激減している。井筒監督の本領は前半の大阪ヤンキーの日常にこそある。