1.何か『映画秘宝』とかじゃ、散々笑い者にされてるバート・I・ゴードン監督ですけど、決して「やたら生き物を大きくして喜ぶマニア野郎(確かに、そうなんだけど…)」だけじゃありません。そりゃあ、いつもながらその特撮はチープなんだけど、その前後のサスペンスの盛り上げ方とか、役者の使い方は、凡百の映画とは一線を画すものじゃあるまいかと。でなきゃ、マージョ・ゴートナーやパメラ・フランクリンといった”演技派”をわざわざ起用して、それなりに忠実にH・G・ウェルズの原作を映画化する彼の野心と映画屋魂は理解できんでしょう。正直、そんなに出来の良い方じゃない本作ですが、ゴードンの名誉のためにもキチンとした再評価を!