4.原題がプロザック・ネイション。「マッチスティックメン」でニコラス・ケイジが
処方されていたのもプロザックだった。主流の精神安定剤であることがわかる。
映画はさながら、この薬の販促映画になってしまっている。
原作小説の著者エリザベス・ワーツェルは「うつ病への理解を」求めて執筆した
そうだが、残念ながら映画はその主題をクリアしたとはいえない。
うつ病の症状を並べただけの内容になっており、快方へ向けての努力をしない主人公に
は怠惰や甘えが感じられてしまう。
主演のクリスティーナ・リッチの熱演は評価したいが、演出やカメラが追いついて
いない印象だ。役者の演技だけに負うのではなく、絵で感じさせる工夫が必要に思う。
うつ病の経験者にとっては共感できる映画ではあるが、そうでない者との間にある
理解の壁が、この映画をきっかけに壊れることはない。
結論は「プロザック飲めばいいじゃん」になってしまうことだろう。