1.空きビルに住み、電車内でのスリを生業にしているアルコール依存症の中年と、その若い弟子たち、断酒会のメンバー、スリを追う刑事などの人々が繰り広げるドラマ。
ベテラン監督らしく、丁寧な人間描写がなされているとは思うものの、主題がスリなのか、アル中なのか、あるいは友情やラブロマンスなのか、どれも中途半端ではっきりせず、最後もすっきりしない終わり方で、結局何が見せたかったんだ、という感じだった。
人情味あふれる主人公が長年スリで生計を立ててきたようにはとても見えず、刑事と馴れ合ったりしていることも含め、都会のファンタジーのように見えてしまった。