1.薔薇薔薇薔薇薔薇薔薇... この映画の印象を一言で語ると、こうだ。
一般アニメオタクにはむしろ喜ばれないだろうと思えるつくりで、かといって一般視聴者が見るとも思えない、まさに
「わかる人だけ喜んで見ればいい」という、かなり視聴者を限定するタイプの傑作テレビアニメ「少女革命ウテナ」の劇場版が本作。
テレビの再編集物ではなく、エッセンスだけを残したまったく別の一本の映画となっている。
本編の売りである豪華絢爛さは劇場用としてさらにパワーアップ。まさに画面は薔薇薔薇薔薇薔薇薔薇薔薇..。状態。
ただ、テレビ版にあった、話の深みや奥行き、「なんなんだこれは」的爆笑を禁じえない謎のシーンの数々は
この劇場版ではだいぶおとなしくなっていて、劇場版でのパワーアップを期待したテレビ版フアンにとってはちょっとびみょーな感じ。
もともと、かなりマニアックな層しか喜ばなさそうなアニメだっただけに、そのままで一般向け劇場作品とすることは
きつかったということだろうか.?
そして何よりいかんのは本編のテーマである「革命」のチープ&陳腐なこと。
テレビ版は見事に一人(いや二人?)の少女の革命を描いた秀逸なラストだったと思うが、こっちはなぁ..
わかりやすいのもどうかと思うし、なにより感動もないんだよねぇ。
かかしじゃなぁ、影絵少女も必然性ないしなぁ..いやウテナカーは劇場向けのはったりとしてはいいと思うけど^^
いくら一般向けにしたとはいえ、何も知らずにこの映画を見たパンピーは、間違って「キルビル」を見てしまったシロガネーゼのような衝撃をうけてしまいそう。そういう映画。