12.老いの哀しみ、時間経過の残酷さのようなものは伝わってくるものがあるが、もうちょっと年取って若い子に恋でもすればより切実に理解できるのだろうか。主人公のリアルな人生を作品に投影して鑑賞すれば違った感動があるのは確かであろうが、主人公がどういう人間であろうと、どういう人生であろうとそんな事には興味はなく、また作品とも無関係であり、単なる役者としてのみ鑑賞する人もいるわけで、その是非はここでは論じないが、映画鑑賞スタイルのあり方を考えさせられる作品でもある。 |
11.チャップリンでなければ成立しない。でも、残念ながらつまらなかった。劇中と同じように、喜劇は永遠には続かない。良い映画ではなく、良い喜劇を観たかった。 |
10.《ネタバレ》 喜劇王晩年の力作。さびれた喜劇家と娘ほどの年頃のバレリーナとの淡い恋。自信を失い萎縮するバレリーナにお見舞いしたチャップリンの強烈なフック、唖然。自身を投影させる最期、感慨深いです。 【獅子-平常心】さん [DVD(字幕)] 6点(2012-07-14 21:29:14) |
9.チャップリンというとペーソスとかセンチメンタルとかウェットな印象がまず来るが、個々の作品を見ると、『キッド』や『街の灯』のような作品でもけっこうシャープでドキッとする悪意を含んでおり、ベトベト甘いだけの作家ではなかった。でもセンチメンタルなものが嫌いだったわけではなく、一度そういうものにドップリ漬かってみたかったのではないか、そんなことを感じさせる映画だ。この作品に意義があるとするなら、その「湿っぽいもの」へ思いっきり身を投げ出している彼のいさぎよさだろう。本作で、もしシャープな悪意を求めるとするなら、主人公の「老い」だろう(テリーがサクラを雇ったってのが残酷の要素になるんだけど何か中途半端で、あれ最初はサクラの笑いだったのが本物の笑いに呑み込まれていった、ってことなのか)、しかしここで描かれるのはあくまで「老愁」であって「老醜」ではない。それはチャップリンの任ではないのだ。だから歯止めをなくしたセンチメントはただただ溢れ返っていく。C・Cを敬愛する私たちは、困ったことになったな、と思いながらもそれを呆然と受け止め続けるしかない。いささか臭い人生訓を語り続けるC・Cにも、前半生であれだけ沈黙していたのだから好きなだけ語ればいい、と思う。ステージの袖で立てなくなったとパニックになるテリーのエピソード挿入のぎごちなさも、見ない振りをしよう。それぐらいの義理は、彼の前半生の傑作群への利息として払う用意がある。ああそうだ、この映画で唯一感じられた悪意は、キートンにヴァイオリンの足枷をはめて走れないようにしたいたずらか。 【なんのかんの】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-11-24 12:19:09) |
8.コメディーシーンは皆無に等しく、完全なストーリー映画で、 喜劇俳優のイメージが強いチャップリンが、役者としての演技をたっぷり見せてくれる。 老いと才能の限界を感じている主人公の悲哀さがしっかり表現されており、 まるでチャップリン自身の姿を投影しているかのようで何とも物悲しい。 劇中、主人公が何度も口にする哲学的なセリフが作品に深みを与えているが、 ストーリーのほうはちょっと冗長かなという印象も受けた。それでもいい作品です。 【MAHITO】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-08-06 20:27:58) |
7.《ネタバレ》 知らぬ間に、主人公の姿をチャップリン自身そのものと錯覚しながら鑑賞していました。 過去の作品で、言葉はなくとも表情で魅了してきた彼が、よくじゃべることしゃべること・・・これだけでも物悲しかったです。 まさに一線を退く者の悲哀を感じました。 ラストで、自分ではなく若きダンサーが踊る画で終わったところが、その象徴だったと思います。 【午の若丸】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-10-20 17:35:22) |
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6.自身の境遇を投影していると聞いて、妙に納得。美しいけれど自分とは釣り合わない娘からの求婚を退けてしまうのが本当にいじらしい。あれに尽きると思いました。 【色鉛筆】さん [地上波(字幕)] 6点(2010-09-11 22:41:50) |
5.チャップリンの役者としてのピークも、監督としてのピークも過ぎてしまっていた、と感じざるを得ない作品です。それはチャップリンがおそらく一番よくわかっていて、だからこそこの年齢このテーマで撮ったのでしょう。私の好みもあるのですが、他の作品と比べるとちょっとおちる評価でこの点数をつけますが、見ごたえ十分で良い作品でした。 【ジャッカルの目】さん [映画館(字幕)] 6点(2010-08-13 20:20:32) |
4.モノクロのチャップリンしか知らなかったので、本作のチャップリンにギャップを感じた。 【にじばぶ】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-10-12 00:15:36) |
3.これはまさしく、晩年のチャップリン自身をそのまま映画に投影したような作品。老いた自分を道化として描き、その道化にチャップリンの人生哲学を次から次へと代弁させる。本作はチャップリンの遺作ではないけど、文字通り彼の「遺言」のような印象さえ受ける。でもやはり、ドタ靴に山高帽姿のサイレント時代の作品に比べるとイマイチな印象を受けました。いい映画だとは思いますが、面白い映画だとは思えなかったです。 【とかげ12号】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-04-28 22:26:52) |
2.肝心のストーリ以上にいろいろ詰め込んでかえって全体が薄まってしまったような感じがした。最後のアンコールのシーンでは観客の笑い声がなく、観客がしらけてしまったのかと思っていたら(それ自体そんなに面白くはなかったし)、最後は大爆笑でちょっと意外だった。僕にとっては『笑』も『泣き』も中途半端な印象だった。 【HK】さん 6点(2004-11-24 17:49:44) |
1.印象的なセリフがたくさんありました。あれが愛のムチなんですね。 【ギニュー】さん 6点(2004-10-05 22:03:48) |