《改行表示》11.《ネタバレ》 ベトナム映画史は、ダン・ニャット・ミンから始まる。 このサイトには登録されてないが、「十月になれば」が有名である。 小生は、この次に有名な「河の女」を観たことがあるが、 ベトナムの革命時のの埃っぽい町が印象的だった。 それから、数年して、アジア・ヌーベルヴァーグが起こり、 この映画が出てくる。 ベトナム映画史的には、次の波である。 この映画、金持ちで働く使用人の女の子の視点から見える 金持ち一家の様子である。 何より驚きなのが、失踪癖のある旦那が亡くなった後、この家は落ち込み、 次の奉公先で、いいとこの息子に見初められ、嫁に居座るというハッピーエンド(笑)? 観てて、ほっこりする佳作。 【トント】さん [DVD(字幕)] 7点(2023-11-19 00:37:41) |
10.《ネタバレ》 ベトナムの戦火から逃れ、フランスで育ったトラン・アン・ユン監督から見た"箱庭の中のベトナム"或いは"記憶の中のベトナム"を表現したかったのかもしれない。武満徹を彷彿とさせる不協和音に満ちた音楽と、全編を貫く、鳥のさえずり、虫や蛙の鳴き声、水の音といった環境音が、絶妙なハーモニーを生み、東洋の異国情緒を醸し出す。また適度な湿気を保った屋敷と緑豊かな庭園を艶めかしく捉えるカメラワークの美しさも作品の完成度を高める。幼い使用人が主人公ともなると、ハードな鬱展開になりがちだがそういう展開を意図的に排除し、平穏な日常の中に隠された不穏な空気がまとわりつく緊張感が一定の心拍数で描かれる、その神妙さに味わいがあり。この映画はリュ・サン・マンの存在なくして成り立たなかった。そのため、成人したムイに見合う女優がいなかったのはウィークポイント。戦争そして物質主義に激しく移り変わっていく現在において、嵐の前の静けさのようなハッピーエンドに不思議な余韻が残る。幸せの価値観は人それぞれだが、静かに自問自答するような感触。 |
《改行表示》9.《ネタバレ》 50年代ベトナムの典雅な風景と日常が、少女の目を通して描かれる。 静かで瑞々しい映画。しゃがんで料理するのが普通なんですね。 料理は旨そうでした。失踪する親父さんは謎の人。 武満徹風の音楽は、フランス人の趣味なのかなぁ。ハリウッド風では向かない とは思いますが。 (2016年追記) HDニューマスター版BDを入手して再鑑賞しました。今回の画質は従来とは比較にならないほど精彩です。 上映時、ビデオ発売時、DVD、どうしてあそこまで劣化してしまっていたのか不思議なほどです。 これを見て、いままで見落としていた美術の作りこみ、色の鮮やかさ、調度の良さ、群集の表情まで楽しく見ることができました。 一度別の媒体で見た人も、機会があれば、ぜひ観てみてください。おすすめします。 【みみ】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2016-04-06 22:06:26) |
8.子役が素晴らしいですね。時間の流れも、私にはしっくりきました。大人になった姿はヨケイでありましたが。 【la_spagna】さん [DVD(字幕)] 7点(2013-09-21 23:41:29) |
7.前半が素晴らしい。漂い続けるカメラは、家の霊というか地の霊の視点というか。したたるパパイヤの汁、したたるロウ。なんらの恨みがましさも叱責の声もない家。熟し終わった家庭の匂いが、画面に立ち込めている。静かに静かにしゃべる。悪い時代の前の静けさ、いやこのころだってインドシナはちっとも平穏じゃなかったはずで、でもそのなかで家の静けさを維持し続ける緊張のようなものが、空気を濃密にしている。フランスでセット組んで撮ったって言うんだけど、細部のアップもあり大変だったろう。まあ20世紀末のベトナムで撮っても、同じ苦労があったかもしれないが。前半に比べると後半は、少女の初恋が成就されるということで黙劇的な緊張はあるんだけど、話が狭くなった感じ。けっきょく、女は弱しされど女は強し、っていうような話に落ち着く。みな影のように生きている独特の感じ。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2010-10-06 09:54:08) |
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6.少女時代のムイが何とも可愛い。清純さとエロスを併せ持つ絶妙な雰囲気の子役がすごい。見ているこちらも、ゆったり寛いで微笑ましい思いで観ていたかと思うと時々はっとさせられたりして、その緩急具合が心地よかった。ただ残念ながらこの子役に見合う女優が見つからなかったのか、大人になったムイはややイメージにギャップがあり、しかも前半の良さを打ち消すような陳腐な展開になってしまいがっかり。それでもほぼ全編を通し屋敷内のシーンばかりでこれほど映像美を堪能できる作品は貴重。例えて言うなら敷地内だけでその空間美が完結しているアマン系リゾートホテルで過ごすお籠もり休暇のような、品の良い癒し系映画。 【lady wolf】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-02-15 22:38:07) |
5.同じベトナムが舞台の「ラマン」も美しかったですが、こちらも素晴らしい映像美です。ただ、昆虫やら爬虫類もドアップで映しだされるので苦手な人は覚悟しておいた方が良いです。 【わーる】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2005-07-09 22:35:25) |
4.たしかにオリエンタリズムの香りが避けられない作品です。でも、それは現代ベトナム映画の出発点において不可避の宿命だとも思えます。こうした事情は、たとえば、日本映画の代表ともいえる黒澤明の作品にも言えることでしょう。よく黒澤を欧米人がぱくったと言われますが、そもそも黒澤は欧米人にも受容できる人物設定をしていたことによります。似たような事情がこの作品にもあるようです。こうした「西洋」が染み込んでくる状況下で、土着性を感じさせる要素として、わたしは色使いと全体のスピード感に注目しているのですが、本作品ではやや優等生すぎるきらいはあるものの、合格点に達していると思います。ノスタルジーをめぐっても、抑えが効いていて好感が持てました。 【バッテリ】さん 7点(2004-01-16 23:11:56) |
3.全篇スタジオ撮影とは思えない見事な映像。空、海、山そして自然光は全く出てこないのに、全てのシーンがこれほど美しい作品も珍しい、アジアンリゾートホテルのパンフレットをみている気分にさえなる。反面、死の苦しみ、使用人の悲壮感、性描写など、生々しく暗い部分は極力排除されているため、東南アジア特有のまとわりつくような蒸し暑い空気、混沌の中でたくましく生きる人間のパワーなどは感じられない。たまにはこんな作品も良いと思うか、あまりにも美し過ぎてらしさが無い、と思うかで評価が分かれるかも知れない。 【クロマス】さん 7点(2003-02-20 22:15:59) |
2.神秘的な感じなのかな。セリフ、説明がかなりない。何?何っ?って感じで置いてかれる感じ。雰囲気でみる映画かも。 【バカ王子】さん 7点(2003-02-14 17:47:39) |
1.台詞が極端に少なくて映像を見て想像していく感じがすごくフランス映画っぽい、と思っていたらやっぱりフランスがかかわってましたね。派手さはないものの映像、効果音などがすごくきれいで映画製作に関わっていればもう少しその良さを実感出来たのかなと思います。もっと色々なやつをみて経験を積んでから見ればもう少し良い点数になったかもしれないですね。中、上級者向きですかね。とにかくなかなかに良く出来た作品です。 【とむ】さん 7点(2002-02-22 11:56:30) |