29.《ネタバレ》 トニーという男は頭が切れる。そして執念深い。前科者の先輩なんて簡単に行動を操られ、殺人動機の手紙に指紋まで付けられて、はした金で言われたとおりに何の縁もない人妻を殺しに行っちゃう。冒頭で語られた完全犯罪は失敗するけど、推理小説家に全て筋書きを言い当てられてしまうところからが面白い。それまで全てを先導していた切れ者のつもりが、娯楽推理小説家がちゃちゃっと考えたチープなトリックのまんまで、結局4本の鍵に翻弄されボロを出す。でもこの男、絶対に狼狽しない。捕まるときも至ってスマート。これってヒッチコックの理想なのかな。頭の中で犯罪の計画を立て、美女を絞殺し(または殺させて自分はそれを見物)、殺される美女はもちろん大好きなグレースケリー嬢で、捕まるときはカッコ良く。なかなかの変態的紳士像ですね。 【ちゃか】さん [インターネット(字幕)] 7点(2024-11-12 18:13:48) |
《改行表示》28.《ネタバレ》 そうかそうか、何か気に入らないと思ったら、そもそも不貞をはたらいた妻が、終始被害者のように描かれているところが気に入らないのだ。愛人の男が、なんだか正義の味方みたいなポジションに居座っているのが気に入らないのだ。 もちろん、殺人が一番悪い。そんなことはぁわかっています。わかっているうえで、心情的にはトニーを応援してしまう。だって人間だもの・・・。でもなんとなくこれは失敗するんだろぉなぁ・・・って思い、そしてその通りになるから、なんか気に入らないんだ。 もとはと言えばマーゴとマークが悪いのに。結局トニーがお縄。不倫関係にある2人は見事に障害を排除して結ばれましたとサ、ちゃんちゃん♪。うん、胸糞悪いです♪。 救いなのは、トニーが『あーあ、ばれちゃったか。』みたいな感じで、潔いほどかっこつけてくれるんです。これで後味がそこまで悪くならない。 だいたい愛人の小説家。トニーが犠牲になってマーゴを助けようなんて、いけしゃあしゃあとどの口が言ってんだコノヤロウ、と虫唾が走ります。この愛人マークが死刑になれば良かったのに。 とゆーわけで、結果そのものは見ていて気分が良いものではなかったです。 ただその過程はとても面白い。 序盤で愛人マークが『現実は小説のように絶対うまくはいかないから』って言ったように、ことごとく計画通りに進まないのが面白い。一番の誤算は、殺し屋が返り討ちにあっちゃうこと。この鋏も予定ではそんなとこにあるはずないのに、予定外のことが起こって裁縫箱からそんなところに置きっぱなし。そのせいで計画が狂っちゃうなんてさすがのトニーも夢にも思わず。 ところが、ここからトニーは機転を効かせまくって、今度は妻を死刑にもっていっちゃう。このストーリー展開はもはや爽快ですらあります。 個人的にはそのままマーゴ死刑エンドでも良かったんだけどなぁ・・・。 伏線の回収はまさに完璧な作品でした。 【たきたて】さん [DVD(字幕)] 7点(2023-07-30 21:31:37) (良:1票) |
《改行表示》27.《ネタバレ》 スワンは1000ポンドで殺しを請け負ったわけだが、当時のレートで言うと500万ぐらいか。 安過ぎるかなと思ったけど意外と妥当。 まあ、それは置いといて上級サスペンスは間違いない。 不倫のカタルシスとか、警部が名探偵顔負けの活躍だとか、鼻につく推理小説家とか。 無理があるところはヒッチコックマジックでねじ伏せてしまってます。犯人を追い詰めるラストも含めて展開が飽きない。 普通におもしろいです。 これでマイヒッチコックbest3は「サイコ」,「めまい」,「ダイヤルM」ですね。 |
《改行表示》26.《ネタバレ》 そもそも、レイ・ミランドごときがグレース・ケリーの夫だなんて、おかしいだろ、と言いたくなるのですが、心配ご無用、ちゃんと、夫婦の間はギクシャクしてます。って、何に安心してんだか。 と言う訳で、夫が代理殺人により妻を亡き者にしようとするも、事件は意外な方向へ、ってなオハナシで、だから犯人と犯行の模様は我々に明らかにされている、いわゆる倒叙モノですが、ミステリ色が濃く、その点が制約となったのかどうか。特に最初の30分くらいは会話シーンが続き、この部分がどうも説明めいた印象を与えてしまいます。 この場面では、犯行現場となる部屋の間取りや調度をじっくり描いておきたいところですが、後の展開で重要な役割を果たすアイテム(ドア、カーテン、電話など)の提示は意外に控えめ。もうちょっと印象づける描写があってもいいような気がするけど。その代わり、犯行に関与しない白手袋だのステッキだのを、レイ・ミランドは妙に強調し、これがイマイチぴんと来なくって。おそらく、彼がステッキを手放すのは、「実はステッキ無しで歩ける事を相手に示す=ここから密談が始まる」という合図、なんでしょうけど、あまり効果的な描写であるように思えません。 一方、いよいよ犯行の描写となると、これはもうお手のもの。しっかりと我々の視線を引きつけ、振り回してみせます。電話を掛ける場面ではわざわざ交換器の映像まで挿入して視覚化してみせる。一種の稚気だろうけど、見せ場の時間を引き延ばす、サスペンス上の効果も。 ミステリとして凝っている分、終盤の「謎解き」の部分はまた、少々、理屈っぽくなってしまいますが、暗い部屋で犯人を待ち構えるクライマックスなどは、スリリングに盛り上がります。 【鱗歌】さん [インターネット(字幕)] 7点(2021-06-06 10:30:09) (良:1票) |
25.《ネタバレ》 アルフレッド・ヒッチコック監督による密室サスペンス対話劇。グレース・ケリー嬢を救え。真実はいつもヒトツ。謎解きのキーアイテムは文字通り部屋の鍵。トビラを開けちゃってジ・エンド。真犯人は分かってるんだけど、そこへの行程がうまく演出されていました。良作。 【獅子-平常心】さん [DVD(字幕)] 7点(2019-06-23 04:34:28) |
24.面白かったけど、謎解きに無理がありませんか? 【カニばさみ】さん [DVD(字幕)] 7点(2016-11-05 03:13:11) |
23.何よりもハバード警部のカッコ良さが印象に残りました。追及の仕方が刑事コロンボみたいだなと。グレース・ケリーを一度は死刑囚にしているので、ヘタを打ってはいるんですけどね。 【次郎丸三郎】さん [DVD(吹替)] 7点(2016-04-03 19:07:30) |
22.《ネタバレ》 犯人しか知り得ない事をみんなの前で演じてしまって一巻の終わりというのはよくあるパターン。不倫している妻を死刑判決に陥れた夫が、不倫相手から彼女を救うためにバレていないはずの実行シナリオを作り話でいいから証言してくれと頼まれるのも皮肉っぽい。それにしても完全犯罪のスタートで立案者の腕時計が止まるってのはお粗末過ぎじゃない?その後も描いたシナリオとは違う人が死んでしまうが、すぐに警察を呼ばなかったり当事者である妻が事情聴取も受けずに寝てしまうのは、夫に促されたとはいえ当時の女性はか弱き子供扱いなのか?もっともそうしないと夫は小細工できないわけだが。その他にもいくつか偶然に頼った展開が気にはなるが、その意外性が面白かったというのは皮肉っぽいか。 【ProPace】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-10-24 22:00:34) |
21.《ネタバレ》 ハイ、観たかった映画一気観ウィーク(ちょっと短くなったw)第二弾。ヒッチコック作品のなかでも傑作と誉高い本作。基本一室のみの密室劇で、ちと会話がくどいかな~と思いつつグイグイ引っ張られるね。少ない登場人物ながら、その中でひときわ光るグレース・ケリー。気品のある美しさはもうすでに炸裂してますね。しかし、後半の鍵のトリックと事件解決にイマイチ付いていけなかった…かなぁ。。。浮気・不倫という内容もちょっとね。まぁそれでも浮気相手の推理小説作家が仮定だといいながら、ズバズバ言い当ててしまうのは凄かったな~。DVD特典の、もともとは3D用(!もうこんな時代に!!)に制作されたのを知りちょっとビックリ。いろいろ勉強にナリマシタ 【Kaname】さん [DVD(字幕)] 7点(2013-03-14 09:50:53) |
《改行表示》20.《ネタバレ》 作品の評価としては、ヒッチコックの最高傑作品群の次ぐらいに位置する作品だと思います。 グレース・ケリーが男と不倫関係にあるのに、浮気相手の男が旦那にグレース・ケリーを 助けるために助言したり見ていてすごく不思議です。 浮気が原因で殺人を計画するのに、誰も気にしていないで変な感じ。 「裏窓」と同様室内劇だが、意外やグレース・ケリーの出番が少なく地味な印象です。 【仏向】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-09-23 18:11:03) |
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19.2008.11月鑑賞。前回は4月、3回ほど観てるがヒッチコック作品では「中」位の好み。 【ご自由さん】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-01-10 21:53:24) |
《改行表示》18.いつ何がどのように起こるかは偶然の出来事、用意周到に練られた完全犯罪も偶然によって思わぬ展開になり、捜査の方も偶然によって思わぬ解決の糸口が見える。この映画はコロンボみたいな研ぎ澄まされた感覚はないが、偶然をうまく使った映画だ。それが見ていてスリリングであり、おもしろい。 ちなみに米国は電話ダイヤルにアルファベットが割り当てられ、MNOは数字の6に相当するのだそうだ。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-10-02 08:19:59) (良:1票) |
17.初めて観たのは、中学生か高校生くらいで、当時は「すごい!完璧な面白さだ!」と感動しました。その記憶が刷り込まれているせいか、納得できない点はあるものの、つい何度も観てしまいます。 【ramo】さん [地上波(吹替)] 7点(2011-07-09 00:08:29) |
16.なぜかリメイクを先に観てしまいました。オリジナルの方が面白いのは当たり前でしょうか。グレイス・ケリーとグウィネス・パルトロウが微妙に似ている気がします。衣装がすごいセクシーですね。特に赤が印象的でした。 【色鉛筆】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-11-04 22:02:54) |
15.まずまず楽しめました。ただ刑事が最初から犯人を疑う言動をするのは、魅力を半減させているような気もします。 【くろゆり】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-04-15 23:48:54) |
14.《ネタバレ》 夫とのキスシーンで始まり、次に愛人とのキスシーン。女は二つの顔を使い分けていることをいきなり見せているのに悪者にならない。それは彼女が練りに練られた完全犯罪のターゲットにされているから。では完全犯罪を目論む夫が悪者になるかといえばそうでもない。それは妻に裏切られているから。そして電話のシーンに代表されるような計画通りにコトが運ばないまどろっこしさがあるから。観客は女は殺されずにいてほしいという気持ちと完全犯罪を見たいという気持ちという相反する感情を持ちながら、まんまとヒッチコックの思うつぼにはまっていく。この作品、真相は初めから解かっている。解かっていないのは劇中の人達だけ。しかしどう解決していくのかが最後まで解からない。その見せ方がうまい。オチを犯人よりもほんの少しだけ先に教えてもらえる。あとは全てを知らされる犯人の驚きを犯人以外の全ての人達と共に堪能するのみ。巧いなぁ。 【R&A】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-03-08 18:40:15) (良:1票) |
13.リメイク版を先に観たせいか、面白さは半減したようです。こちらのほうはテンポも速すぎて、終わり方もあっけないように感じられました。 【H.S】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2005-12-25 23:16:34) |
《改行表示》12.素人が策を弄してもそうトントン拍子には行かず、といったところでしょうか。 思い返すと見事にあのマンションの一室だけで事が運びます。 パーティー会場、被告と裁判官のみがアップとなる法廷のシーンのみが場面転換。 諦め、潔くお酒を飲むラストがとても気に入りました。 ラストの爽やかな余韻が実に心地良い。 【HIGEニズム】さん [映画館(字幕)] 7点(2004-12-20 16:26:10) |
11.あれだけ用意周到なのに時計を確認し忘れるなんて・・・こういう密室でのサスペンス物は大好きなんですが、前半トニーとスワンの会話が長すぎて疲れました。しかし50年前の作品とはおもえない画像の美しさです。話の展開も後半は緊張感も維持できて夢中にさせてもらえたので満足です。3D版観てみたい |
10.舞台劇のような味わい。ヒッチコックは作中でよく人の背中に刃物を突き立てるが、その中でも本作品が最も痛そうな刺さり方をしている。ぱっと見には、場面転換があまりなく単調になりがちなところを、2度目でも飽かずに観ることができる映画になっている。さすがにヒッチコックはうまい。 【山の木屑】さん 7点(2004-07-30 11:42:17) |