9.《ネタバレ》 「田中裕子とジュリーへの恋愛指南」の一言で片付けられそうな気もするのだが、よく考えるとそれにとどまらない奥の深さがある。マドンナはジュリーを、当初は二枚目だから気が進まないと言い、デートしても何も喋らないのが嫌だと言う。もちろんその逆が寅さんであって、スナックでいきなり「今夜は飲んじゃおう!」とノーガード全開になってしまう描写にもそのベクトルは示されている。しかし、いざいい雰囲気になると引いてしまうのは寅の宿命でもあるし、まして結婚の心理がどうのこうのという相談には、寅は一切対応できない。もはや自分の中で処理しきれずにグシャグシャになる。あの、せっかくの相談の場から席を立ってしまう一幕に、そのあたりの心理の綾が凝縮されている。●それにしても、後にはいろいろ癖のある役や影のある役も多かった裕子さん、この「どこにでもいるような地味目のデパートガール」役の、何とも初々しく、そして神々しいこと!「おしん」で国民的女優に躍進するのはこの翌年なので、よくその前の貴重な時期を収めておいてくれたと思います。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2020-11-02 00:57:36) |
8.田中裕子と沢田研二が土手でならんで座っている時、後ろで佐藤蛾次郎がのぞきみしているところが面白くて好きだ。 【ホットチョコレート】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2014-05-18 12:01:22) |
7.若い二人がうまくいったことを知った時、喜んでいいハズなのに何故か寂しげな姿がなんともよいですねぇ。それにしても田中裕子という女優はつくづくうまい俳優だと思いました。あと、本筋とは全く関係ありませんが、物語後半、寅さんと田中裕子が待ち合わせしたスナックのママさんの立ち振る舞いが妙にリアルで、いかにも船橋駅前あたりにありそうなお店でした。 【la_spagna】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-09-20 23:56:03) (良:1票) |
6.田中裕子さんの何とも言えない可愛らしさが魅力でしたね。ジュリーもこの頃はカッコいいし、ビジュアル的にも良い作品。寅さんはたまにある指南役。まるで自分に向けて言ってるような名指南はこの作品でも良い事を言っている。人には言えるのに自分ではできない、それが車寅次郎。はー、しかし冒頭の夢の中のジュリーの色気には巻き戻して何度も見てしまうほど魅せられる。その後のギャップもまた良し。 あとの印象はメロンならぬ松茸事件です。 【movie海馬】さん [地上波(邦画)] 7点(2013-03-04 20:28:23) |
5.ワルツが久しぶりに鳴った。偶然の出会いを仕組むあたり、本シリーズでは珍しくはないもののやはり笑える。蛍子の親父さんが「こんな奴と付きあってんのか」というとこも笑った。とらやでの画面の作りはもう熟達の境地。すみずみまで無駄がない。左側に怒ったオイチャンがいると、右側に泣いているオバチャンを置いて釣り合いを取り、話が一室に籠もりそうになると、オイチャンのとこに人が来たりして、店から三郎に挨拶を送る場面を挟んだりして息を抜く。流れが出来る。このころから寅はよくマドンナの恋の相談相手になる。寅は結婚してないから理想が言える、ってことで、ヒロシの言葉を借りると「それが欠点でもあり美点でもある」。けっきょく寅は人生の通過者であり続けようとしたわけで、人生の転換点を乗り越えることが出来ない人なの。ある意味臆病、よく言えば永遠の青年。だからほかの人が乗り越えようとするとき助言を与えるのに熟達している。『太陽を盗んだ男』などニヒルな役が多かった沢田研二に、気の弱い動物園の飼育員をやらせたのが慧眼で、上方のボンボン的な資質を見抜いていた(鳥取生まれの京都育ち)。後年沢田は舞台で「夫婦善哉」をやることになる。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 7点(2012-06-14 10:13:09) (良:1票) |
【ケンジ】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-03-24 22:16:07) |
《改行表示》3.これを見る前に偶然ゲド戦記を見ていた。 今回のマドンナが一番かわいい。 派手ではないけど、好きです。 寅さんうんぬんはどうでもいいぐらいかわいくない? |
2.沢田研二と田中裕子の結婚はこの作品の共演がきっかけなんですか。寅さんのマドンナというよりは口下手の純粋な青年のあこがれとして登場しますが、その家庭も微妙に不安定な設定で、スッキリしないままに話が進んでいきます。相変わらずスッキリしないまま旅に出る寅さん。日本人的な曖昧な態度と自己犠牲による決着のつけ方が、寂しさと心地よい余韻も残すのだが。 【パセリセージ】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2006-09-12 22:36:17) |
1.ジュリー演じる三郎青年。奈良生まれとのことで、関東で動物園の飼育係を勤めるも、関西弁がまったく抜けていませんね。これをもって、「ああ、このヒトは口ベタで友人も少ないから、方言が抜けないんだなあ」、と判る・・・という意図が込められているのかな? だとしたらそれはアマい! いくら関東に住み、いくら周りと交流しようが、関西弁を捨てない関西人はいくらでもいます。ワタシもそうでしたからねえ。うふふ。しかしそれだけにワタシとしては、自分の東京在住時代なんかも思い出したりして、この不器用な三郎青年には何かと共感する部分もあったりするのであります。さて、映画の内容はと言いますと、ジュリーと田中裕子の恋愛にかなりの比重が置かれ、寅さんは狂言回しの役に徹しています。これがトンチンカンで笑えると言えば笑えるけど、寅さんの存在感が薄く、少々物足りない。最後には、恋愛を見届けるでもなければ田中裕子にチョッカイかけるでもなく、「そろそろ仕事があるから」と旅に出ようとするしなあ。ま、前作よりは元気な寅さんが拝めましたが・・・。それにしても、寅さんの一人芝居が長々と続く場面、いわばシリーズ恒例の場面ですが、ここを「寅さんとジュリーのツーショット」で撮ってますね。せっかくジュリーを出演させているのだからなるべく写しておこう、ということなのかもしれませんが、寅さんの横で微妙な表情の演技を続けるジュリーが、何だか微笑ましい。なかなかの役者ですな。天草四郎役も良かったけどネ。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2006-09-10 23:15:30) |