1.江戸川乱歩の原作を三島由紀夫が舞台化。これはその戯曲を元に、ほぼ舞台と同時進行で製作されたという大映作品。この映画の主役は明智小五郎ではなく、女賊・黒蜥蜴でもなく、完全に京マチ子その人、当時38歳。「不眠症~の星、死体~の瞳、くーろとーか~げ」という三島作詞の怪し過ぎる主題歌に乗って、大胆ドレス、令夫人、令嬢、女王様、店員のおばさんと、タイトルバックからコスプレで大活躍してます。果ては男装でのダンスまで披露(驚くべきことに、一部はミュージカル仕立てなのです)。三島の書いた間の抜けた展開や不条理な台詞の数々、井上梅次のシュールな演出等もあって、本作には馬鹿映画の称号を与えても差し支え無いでしょう。嗚呼、黒蜥蜴様、私にも爬虫類の称号をお授け下さい、7点献上。