10.サムメンデスの演出はノレル。この映画は湾岸戦争モノですが、「地獄の黙示録」や「ディアハンター」のような映画が好きな現代っ子が主人公。しかし砂漠が戦場で、ただでさえ単調な砂漠を背景に、そして何も起こらない毎日に、殺人マシーンと化した彼らが段々とストレスがたまってくる様子がよく出てます。監督が凡だったら、映画でも退屈で仕方が無かったと思う。でもこれは湾岸戦争だったからこんな戦場だったのでしょう。いずれイラク戦争やアフガン戦争を題材にした、また違った感じの戦争映画が出てくると思います。その時は「退屈」な映画なんて創られないと思う(誰がテロなのか分からない恐怖があったり、高い山の上の酸素の少ないところが戦場なのだから)その意味でこれはものすごく異色な戦争映画。それにしても火のついた油田のせいで暗くなった砂漠や降ってくる黒い雨が目にしみて暴れる兵士とか(痛そ~)初めて知った湾岸戦争の一面でした。 【トント】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-12-17 03:18:35) |
9.《ネタバレ》 海兵隊兵士の品のなさがとってもリアル、でもこれが現実なのでしょう。こういう客観視というか突き放した撮り方は、監督が英国人ならではと言うことでしょうか。アメリカの最近やっている戦闘は「非対称戦争」と良く言われますが、この映画でも米軍が損害を受けるのが味方の誤爆だけで、とても判りやすい。しかしこの海兵隊の若造たちは、みんな志願して入隊したわけなので、個人的には感情移入や同情は出来なかったですね。青春群像劇として観ることも可能でしょうが、リアルに描けば兵士たちは女と酒にしか関心がないという風になってしまうし、そこはジレンマですね。しかしイラクやゲリラ相手の戦争では軍艦が撃沈される心配はなさそうだし、米軍に志願するなら海軍の艦艇乗り組みということですな(笑)。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-05-07 21:53:54) |
《改行表示》8.“主人公が一人も人を殺さない戦争映画”と何かに記されていたが・・。 少し前の湾岸戦争が背景。TV等で身近に感じていたが、その裏側の現代戦、人間と兵器の関わり。第二次世界大戦とは全く異質の戦場。等々見事。でも面白い作品ではなく、疲れる、虚しい作品。でも油田の燃え盛る背景は異様で美しい。 【ご自由さん】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-01-28 14:49:24) |
7.前作ロード・トゥ・パーディションがいかにも優等生的でつまらない映画になってしまったので、その反省とばかりにサム・メンデスは本来の持ち味である斜めの視点で本質をえぐり取るという皮肉精神を取り戻しています。ディア・ハンター以降、戦争映画と言えば主人公が「俺は殺人行為をやったんだ」と悩み、戦争で抱えた苦悩を背負う作品ばかりになってしまいましたが、この映画は四半世紀ぶりにその傾向に風穴をあけるような面白い姿勢で作られています。主人公が厳しい体験の中で成長するわけでもなく、悲惨な現実の中で何かの教訓を学ぶわけでもなく、「戦争行ったけど特に何もなかった」ということがテーマの変な戦争映画です。上官に向かって「俺の手で敵を殺させてくれ」と兵士が泣いて頼むという常識はずれのシーンまであります。監督も自分の試みに自覚的だったのか、ドラマ路線の戦争映画として最高の評価を受けるディア・ハンターのビデオにポルノまがいの不倫映像がダビングされてるくだりがあり、一方で「戦争映画としては非現実的だ」との批判を受ける地獄の黙示録を見て兵士が最高潮に盛り上がったりと、「『これが本当の戦争だ』と言ってた今までの戦争映画だって所詮脚色されたもんでしょ?」とでも言わんばかりの挑発ぶり。確かにこの映画の異色ぶりは相当なもので、これまでの戦争映画がどれも判を押したように「悲惨の連続」だったのに対し、この映画が描くのは「退屈の連続」。延々と退屈が続きそこに生死を分ける一瞬が突然やってくるというのが戦場の実態のようですので、「生死」並に大きな要素でありながらこれまで映画が取り上げてこなかった「退屈」という側面をはじめてテーマにしたところにも、この映画の価値はあると言えます。ただしこの監督、挑戦的な内容を扱いつつも映像や語り口に良くも悪くも「えげつなさ」がないという特徴を元々持っており、アメリカン・ビューティーにおいては過激な内容をうまくまとめてさらっと見せる手腕が良い方向で現れたものの、戦争映画においては刺激不足の原因となり、後半に猛烈な長さを感じさせられました。また最初と最後のモノローグは完全に蛇足で、何か意味ありげなあのモノローグは「何もない」がテーマのこの映画の本質をかえって見えづらくしています。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(吹替)] 7点(2006-11-03 22:03:58) (良:1票) |
6.戦争映画ではありながら、複雑な人間の感情を根幹とした、いい作品だと思う。ジャーヘッドの任務、戦争へ赴いてしまったが為のモチベーション、人間が生きていく上での儚さや、受け入れがたい現実。戦争が舞台であることを商業的に捉える見方もあるかもしれないが、あえて戦争が舞台だからこそのメッセージ性も感じる。相棒トロイは再び戦地へ赴き、悲運の死を遂げてしまったのだろうか?それら疑問を解く鍵が劇中に点在し、戦争をもってヒューマニズムを表現しつつも、幾分不適切(?)な音楽とともに展開していくストーリーは、飽きることがなかった。 【Andrej】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-10-04 21:53:16) |
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5.《ネタバレ》 海兵隊のノリが体育会系馬鹿で、後々痛い目を見るのが解ってるのにやってしまうのが面白く、小ネタも豊富で楽しめた。音楽も良かった。燃え盛る油田、原油の黒い雨、炭化した死体。兵隊じゃなければ体験する事はなかなか無いだろう。今作の主人公は結局、ほとんど虚しい日々を繰り返し人を殺める事無く帰国したわけですが、地獄のような体験をした人も大勢いたんですよね。あそこで一発撃ってたら何かが変わっていたのかな。 【余談】サントラには「Jesus Walks」が収録されていないので要注意です。 【ロカホリ】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-02-17 01:06:50) |
《改行表示》4.《ネタバレ》 「オマエはケニーGか」一人で爆笑していた。 冒頭とラストのオムツがどうのこうのとか、まだ砂漠にいるとかどうのこうのとかはよく分からなかったけど、それ以外はなかなか良かった。手にした銃の感触は消えないとかそんなことも言っていたが、果たしてこの映画はそんな映画だっただろうか、ちょっと疑問。 イラクとの戦闘シーン(切れた電池を取りに銃弾の中を走るシーンなど)はあったけど、アメリカ兵が死亡または負傷する目立ったシーンが、訓練と誤射というのがこの映画のすべてを物語っていると思う。それなりにサムメンデスのアイロニカルで斜に構えた感じと空虚さが交じり合った空気は悪くはないと思う。 【六本木ソルジャー】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-02-13 01:35:44) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 この映画、憂鬱な空気がよかった。何回「Shit!」と「Fuck!」とゆう言葉がでてくるんだろう。2分に1回はかならず言ってたよね?でもでもーーなにげに、おもしろかったーあ。なんかギャグてきなシーンも結構おおくて、かなり笑えた。家族でみたらちょっときまずそう。まあR15だからしかたないし、あたしはすきだからいーけど(笑)それ以外だと、結構せつなかった。彼女のやつとか、みんなのその後…みたいな。あとルーカスブラックくん、かっこよくなってる!スリングブレイドでみてたけど、もうだいぶな歳なのねぇー・・・・あとはエンドロールもいいね★この映画みたら、湾岸戦争ってどうしておきたのかとかを知りたくなりました。しらべよっと。それにしても戦争っていやだわー あと、音楽よかった。ちょっとサントラほしいかもしれない 【ギニュー隊長★】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-02-12 00:21:06) |
2.《ネタバレ》 音楽の使い方がうまいですね。個人的には地獄の黙示録を観てみんなで盛り上がるシーンが面白かったです。 【たま】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-02-11 23:38:40) |
1.《ネタバレ》 特別な英雄でも臆病者でもない極々普通の一兵士の視点で、湾岸戦争の実像をシニカルに描いた戦争映画。主人公は海兵隊の斥候狙撃兵ということで、有事の際には戦場に一番乗りするのが任務。しかし当時の任務の実態は、サウジアラビアの油田警護という名目の、半年にも及ぶ砂漠での過酷な駐屯。その後、ようやく攻撃命令が発せられて前線に赴いても、多国籍軍の圧倒的兵力の前に敵はあっさり退却するか、既に空爆で壊滅している。結局、戦場に一番乗りした筈の主人公が一発も銃を撃たない内に戦争は終わる。戦場の狂気だけを内に秘めたまま中途半端に放り出されてしまった主人公の心は、砂漠へ置き去りにされたまま。彼は、哀れなベトナム帰還兵に自分の姿を見るのです、7点献上。 【sayzin】さん [試写会(字幕)] 7点(2006-02-11 00:05:18) (良:1票) |