7.かつて「夜の~」と聞けば、それだけでドキドキしたもんだった。
映画だと「夜の診察室」とか。
でも、本作のレビューを一通り見たけど、本作のタイトルに違和感を持った人はいないようで、なんか寂しかった。
余計なことはこれくらいにして、レビュー。
まず、この映画の原作は、珍しく既読。
原作と同じく、「24時間で80km歩行」という設定に最初から疑問を感じながら鑑賞することになった。
運動選手ならともかく、一般女子高生には無理だと思うから。
サポートがついてただ歩くだけならともかく、ずっと荷物背負って仮眠も食事休憩もあり。
さらに1000人が公道を同時歩行という条件。
絶対無理とは言わないが、歩ける時間帯は、少なくとも6km/h前後のかなりの速さが必要なはず。
そうすると「ピクニック」という呑気な雰囲気じゃないはずだ。
でも、スタート前もスタート後も全然緊張感ないし、歩く速さはせいぜい3~4km/h。
自分、「24時間で80km歩行」にこだわりすぎかなあと思うけど、しょっちゅう「××地点、あと○○km」って表示が出るから、気になってしょうがない。
原作では、この疑問が最後まで消えず、満足できなかった。
ところが映画では、後半で友達の弟が現れてから、なぜか全く気にならなくなった。
高校生らしく、気になる異性、つまらないこだわり、助け合う友達。
こういったテーマが一気に納得できてくる。
主人公二人が、本当に高校生らしかったのも大きい。
結末を知っているのに、素直に「いいなあ」と思えた。
前半はグダグダの出来でも、後半締めてくるっていうのはうれしいなあ。
あまり期待せずに見たんだけど、思いがけずいい映画だった。