24.《ネタバレ》 此度再見してみて、エディ・マーフィ演じるレジーの登場が結構遅かった事に驚きました。
全編出ずっぱりのような印象があったのですが、それだけ彼のキャラクター性が際立っていたという事なのでしょうね。
彼のデビュー作であると同時に、出世作となったのも納得。
相棒であり、本作のメイン主人公となるニック・ノルティ演じるジャックも、これまた良い味を出しているんですよね。
陽気な黒人に対する無骨な白人という組み合わせであり、如何にもな強面なのですが、恋人である女性には押しが弱く、情けない姿を見せたりするのが憎めない。
バディムービーのお約束として、本作にも「いがみ合っていた二人が仲良くなった事を示す場面」が存在する訳ですが、その際のカタルシスも大きかったです。
「あの」気難しくて頑固な警官のジャックがレジーを庇ってくれた、という形だからこそ心に響いてくる訳であり、その辺りは上手い。
一方(そこまで心を開くほどの交流があったかな?)と思わせる面もあったりして、そこは残念。
当時は未だ「白人と黒人によるバディムービー」というジャンルが確立されていなかったがゆえの未成熟さというか、ぎこちなさのような物があるんですよね。
敵方にもインディアンというマイノリティを配し、主人公コンビと対にしているのですが、その事を劇中で活かせていない感じなのも、ちょっと勿体無い。
最後に大金をせしめるエンドに関しては、ジャックも模範的な警官ではなく、清濁併せ呑むタイプとして描かれていただけに「まぁ、良いか」と納得出来る範囲内。
レジーが終始「ずっと刑務所にいたんだから、女を抱きたい」と訴えるも、お預けを食らい続け、最後の最後で本懐を遂げられた形なのも、後味の良さに繋がっていたと思います。
期待通りの楽しさを提供してくれた、良い映画でした。