1.《ネタバレ》 こういう家族旅行を題材とした映画、好きですね。
一応、無人島でのサバイバル生活が主となっているのですが、緊迫感なんて欠片も無し。
終始のんびりとしたムードが漂っており、誰かが死んだりする事も無く、安心して楽しめる作りになっています。
子連れの女性と同棲中で、この旅行の間にプロポーズしようと考えている主人公。
そして、彼女の連れ子である年頃の娘と、幼い息子という四人組構成なのも、非常にバランスが良い。
子供達は「肉体派の姉であるインザ」と「頭脳派の弟であるマックス」という形でキャラ分けされているのですが、このマックスの方がとにかく優秀で「水源を見付ける」「火を起こす」「発電機を作って、無線で救助を求める」と大活躍しちゃうのも、如何にもファミリー映画って感じがして、良かったですね。
姉の方も思春期の娘らしく「いずれ父親になるかも知れない他人」である主人公に対し「最初は冷たい態度を取っていたが、徐々に心を開いていく」という、お約束の展開を繰り広げてくれるのだから、嬉しい限り。
「ファミリー映画なら、こういう要素が欲しい」と思える部分が、しっかり備わっている訳だから、それだけでも満足度は高くなるというものです。
予算の関係なのか「トカゲを仕留める場面」や「蛇に噛まれる場面」を直接映像として見せてくれないのは寂しいし「何故か皆して同じ島に流れ着く」「毒蛇に噛まれてもアッサリ解毒出来ちゃう」など、脚本にも粗が目立ちます。
でも、そういった諸々の欠点よりも……
・フリン船長に子供達が懐いてしまい、主人公がヤキモチを妬いて空回りする。
・ラストシーンにて、主人公がマックスを「私の息子です」と誇らしげに紹介してみせる。
という、好きな場面の方に注目したくなるような、独特の愛嬌があるんですよね。
優れた映画、完成度の高い映画、という訳では決してありません。
正直、面白い映画だったと言うのさえ躊躇われます。
でも、好きな映画であるという一点に関しては、疑う余地が無いですね。
「無人島での冒険を通じて、仮初めの家族が本当の家族になれた」と感じられるハッピーエンドまで、楽しい時間を過ごせました。