《改行表示》18.《ネタバレ》 人生いろんな人がいる。もうすぐ死ぬ病人、経営に困った社長、踊れないバレリーナ。そんな人々が交差する所、そこはグランドホテル 。 まぁ「グランドホテル形式」なんて映画のジャンルを作ってしまうくらいの1932年、古の名画。 どんなものかと見てみたが、もうこの時点でこれがトップと言わんばかりの完成度。個性が立ちまくってるキャラクター、交錯するストーリー、全く飽きのこないテンポ、たった三日間の出会いと別れの群像劇は2019年の男が見ても面白い。 それはやはり役者の上手い会話劇の技なのか、ジョン・バリモアとジョーン・クロフォードの駆け引きのようなデートの誘いに男ながらに「イカすぜ!ガイゲルン男爵!」と思ったり、打って変わってグレタ・ガルボに対してジョンが甘すぎる台詞を恥ずかしげも無く放つシーンに「これはイケメン紳士だから言える台詞!そこに痺れる!憧れる!」とジョン・バリモアの一挙手一投足に紳士っぷりに男ながらに痺れました。 そんでもって彼の泥棒だけれど根が優しいのがまた良いですね。まぁ、それでも上手くいかないのが気の毒でしたが。 もにちんジョーン・クロフォード演じるフリムフェンの美人っぷりもたまんない!羨ましいぞクリンゲラインてめぇ!!! "グランドホテル。人々が来ては、去っていく、まるで河の流れのように絶えることはない。" そして上記の台詞で締める医者が最終的にこの映画の狂言回しというオチもナイスでした。 ある者はこのホテルで生を謳歌し、またある者はこのホテルで真実の愛を見つける。 人生は人それぞれ、様々な人々の喜びと悲しみが入り混じる瞬間を短い間でしたが垣間見る事が出来ました。 本作は古いと思って見ないと損する素晴らしい人間賛歌の名画です。 あ、俺にもルイジアナフリップを! 【えすえふ】さん [DVD(吹替)] 7点(2019-06-21 21:12:20) |
17.中心になるのは男3人と女2人、女優の二人は当時の大スターグレタ・ガルボとジョーン・クロフォード。クロフォードの方は3人の男性と関わってくるが、ガルボの方は男爵以外の関わりはほとんどない。そして女性二人はとなるとスクリーンに同時に登場することはまったくない。これは原作ヴィッキイ・バウムの小説がそうなのか、ガルボの存在がまったくの別格であったのかは知るよしもない。男性陣の中ではクリンゲンライン役のライオネル・バリモアに好感を覚える。他の出演作素晴らしき哉、人生!や我が家の楽園の印象が強いからかもしれないが・・・。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-10-20 06:56:11) |
16.《ネタバレ》 「グランド・ホテル形式」の元祖として有名なので、ストーリーが追えるか心配だったのですが、見れば全く心配なし。前半は人物紹介でややつまらないものの、それぞれのドラマが用意されているていいです。後半への伏線にもなっていますし。次第に主要人物が重なってくるので、全体として大きな流れとなってきます。最終的には「男爵」を軸に5人をまとめたシナリオで、なかなかうまく作っていると思いました。必ずしもハッピーエンドでないのも現実的です。意外性もあって堪能しました。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-06-09 20:48:10) |
15.頽廃の匂いと言うほどではないが、アメリカがヨーロッパ・とりわけドイツに抱いている世紀末的な雰囲気への憧れが感じられた。子どもが大人に抱くような視線。滅びや衰退ってものの厳粛さへの過剰な評価。死が近づく病人、人気下降気味のバレリーナ、崖っぷちの会社、それらがウィンナワルツをBGMに旋回していく。当然のように犯罪も入り込んでくる。歴史を重ねてきた都市だけが醸し出せる「大人」の雰囲気。アメリカ映画が持てなかったヨーロッパ的なものを、とりわけ大事そうに画面に塗りこんでいるところが、いじらしくも楽しかった(ドイツの小説をアメリカで戯曲にしたのの映画化と聞いている)。この様式が拡大されたのが、アルトマンってことか。『グランド・ホテル』にはアメリカのヨーロッパへのコンプレックスが感じられるが、アルトマンがそれをより発展させ、混在国家アメリカに文化にしてしまった。最後に「事件」を置いてキュッと全体を締める手法なんか、『ナッシュビル』でより大規模に再現してくれた。そのアルトマンの映画が、ヨーロッパでより高く評価されたってあたり、旧世界と新世界の相互の「憧れ合い」が微笑ましく見えてくる。この手のドラマでは、人々がそれぞれの人生を担って同時に生きていることを示すため、当然のように長回しの手法が生かされてくるんだ。 【なんのかんの】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-03-18 10:02:32) (良:1票) |
14.複数の人間が絡み合うとのことだったので複雑な話かもと予想していたが意外に分かりやすかった。気楽に楽しめる良作だとおもう。 【ホットチョコレート】さん [地上波(字幕)] 7点(2012-03-16 23:43:24) |
13.《ネタバレ》 主要キャラが5人もいると収拾つかなくなっちゃうんじゃ…って最初は思ったけど、全然そんなことなかったわ。 頑張らなくても5人それぞれのストーリーがすんなり追えたってことは、やっぱり映画自体の作り方が上手なんでしょうね。 アタシは今回が初グレタ・ガルボだったんだけど、やっぱりスゴイのね、オーラが。 情緒不安定で精神的に脆そうなグルジンスカヤの「大スター!だけどオンナ…」みたいな雰囲気…アガルわー。 これでもかってほど掛けられた紗も「往年の大女優」って感じでステキだったし。 あと現実的だけど根は優しいマテリアル・ガールのフレムヘン役がとってもよくはまってたジョーン・クロフォードも良かったし、紳士的なコソ泥男爵も、瀕死だけど豪遊中の帳簿係のオッチャンも、お猪口の裏並みに器が小さい社長さんも、それぞれちゃんとキャラが立ってて。 …すべての登場人物がほかを邪魔しない程度にちゃんと目立ってるってことが群像劇では大事なんでしょうね。 【梅桃】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-03-07 16:26:29) |
《改行表示》12.《ネタバレ》 群像劇だが、多数の人生模様が比較的分かりやすく描かれている。 それぞれの登場人物達の人生は、作為的に描かれてはおらず、ただ運命に流されるままに描かれている。 人生のシナリオは、理論めいたものではなく、突然何かが起ったりする。 ご都合主義的に登場人物達の人生シナリオを描くのではなく、運命論的に自然に描いているのが素晴らしい。 男爵の死も唐突だ。 しかし、他人に殺されるという不可抗力に、それまでの人生のシナリオなど関係はないのだ。 死は突然やってくるし、幸せや不幸も突然やってくる。 そうした悲喜こもごもを、群像劇ながら分かりやすく描いている。 しかも、登場人物達の人生シナリオも自然に描かれており、名作に恥じない出色の味わいがある。 役者についてだが、グレタ・ガルボは勿論魅力的であったし、それに負けないくらい、いやそれ以上に、ジョーン・クロフォードが献身的で魅力的な女性を演じていた。 更に又、ジョン・バリモアの紳士然とした雰囲気は群を抜いていた。 【にじばぶ】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2011-05-03 01:13:54) |
11.当時のスターを大勢起用したということで、散文的な内容になってしまっているかと思いましたが、なかなかの良い出来に仕上がっていると思いました。各キャラクターの個性が確立されて、エピソードごとに、良くストーリーが練られていると思います。唯一貧乏くじを引いたのはG・ガルボではないでしょうか。それでもガルボの見せ場は作ってあるので、全体的には良くまとめられた映画であると言えます。 【shoukan】さん [映画館(字幕)] 7点(2009-10-03 17:33:40) |
《改行表示》10.《ネタバレ》 当時の映画スター大集結とのことですが、僕はほとんどの俳優を知りませんでした(75年以上も前だもんなぁ…)。当時のスターなんて、今以上に気難しそうなイメージがありますが、多数のキャラクターが登場しながらも全員の個性が良いバランスで立っています。 パッパラパーなバレリーナ、こそ泥ジェントル、悪人面で高慢なヘボ社長、余命短い豪遊おじさん、優しいが金の力に弱い娘と、それぞれのキャラクター造形が面白い。 ほとんどのキャラクターがお金を中心に、他人と接しながら悲喜こもごもなストーリーを繰り広げているのに比べ、ただ一人ダンサーだけは金に興味がなく、目先の恋の相手一人の存在だけでルンルンしているという対比は良いんです。良いんですが、それでもやはりちょっとでもいいからそれぞれ全員と絡んでほしかったなぁ、というのが惜しまれる点。 特別に面白いかというとそうでもないんですが、アカデミーに相応しい、隙がなく深みのある上品で見どころの多い映画。 DVDのおまけに入っていたグランドホテルの短編コメディミュージカルバージョンともいえる『Nothing Ever Hppens』は、本編より軽薄でマヌケで、この雰囲気のが好みだったかも。紳士のキャラクターなんかはこっちのが好きでした。 【すべから】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-05-15 00:44:56) |
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9.このスタイルを確立したという功績だけでなく、話そのものでも楽しめました。キャラクターがみんな面白くて好きです。それにしても1932年って、歴史の教科書に載ってるし…。 【色鉛筆】さん [地上波(字幕)] 7点(2009-01-06 19:34:17) |
《改行表示》8.《ネタバレ》 “●●グランドホテル”なんていう名のホテルは日本に、いや世界中に星の数ほどありますが、その起源と思わせるかのような、いかにもといったこのクラシカルなタイトルは実はかなり好きです。 豪華な配役、と当時は結構もてはやされていたそうですが、そのほとんどの役者が馴染みのない人たちばかりで“5大スターの競演”とか言われてもイマイチありがたみが出てこない・・・(涙)。 私は、5人全員のエピソードに繋がりを持たせる必要はないと思いますが、もう少しそれぞれの話に面白味があればもっと楽しんで観れたことだと思います。 映画の序盤に出てくるエントランスホールの長回しもホテルの格の高さを醸し出していますし、劇中で殺人が起きてもその直接的な描写はせず、男爵の横たわる姿すら見せないのは、ホテルの豪華さや客層の良さに決して引けをとらない非常に上品な演出だと思います。 【もっつぁれら】さん [映画館(字幕)] 7点(2007-10-07 10:16:21) (良:1票) |
7.スマートな名作。最近のサービス満点な映画になれてしまったので、物足らない感もありますが、まさしく高級ホテルのような上品なサービスに溢れた映画でした。 【ゆうろう】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-04-17 14:40:11) |
6.《ネタバレ》 キャラクターがきちんと描き分けられ、話の整理もできており、群像劇にしてはわかりやすい構成です。ですが、これに「名作」を冠するには、どうにもあと一コマ足りない感があります。男爵をあそこまで簡単に殺さず、しっかり掘り下げていれば、より面白くなったろうに…と思ってしまいました。 【K】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2005-04-10 21:17:22) |
《改行表示》5.《ネタバレ》 金持ちながらも全く紳士的でない卑怯者プライジング。お金に困っているが紳士的な優しい男ガイゲルン男爵。この2人を対照的に描くことで、裕福であろうが貧困であろうが人の中身は“金”では計れなという人間感を描いている。 それだでも面白い対比なのだが、この作品は更に人物を掘り下げて描いていく群像劇である。死を宣告されることにより、初めて生きる喜びを見出していくクリンゲンライン。お金になびいてしまう女フレム。有名人だが愛に飢えた女グルジンスカヤ。現実生活においての縮図とも言える内容。“グランド・ホテル”を小さな世界としてとらえ、人間の様々な目論見や営みを語ります。 希望に向かって再び旅立つ者もあれば、暗闇に足を踏み出す人もいる。正に人間賛歌として見応えのある伝説的な作です。 |
4.タイトルがそのままその後の映画制作における手法の名前になっていることでも顕著なように、この手の映画の教科書的な完成度の高さが楽しめた。当時の世相を反映したそれぞれのキャラクターのドラマが秀逸。 【鉄腕麗人】さん 7点(2003-12-21 13:39:10) |
3.《ネタバレ》 たくさんの人の人間模様が描かれているので、誰に共感するかは人それぞれ。私はプリマに感情移入しっぱなしでした。世界一(だろうと思う)のプリマである彼女はベルリン一のグランド・ホテルに滞在してベルリン公演に臨む。ところがプリマは鬱状態になっていて公演をすっぽかしてしまうわけです。頂点を極めた人の焦燥感はわかります。バレエ人気も翳りが見えはじめ、お客さんの拍手も明らかに小さくなっている。それこそ果ては『サンセット大通り』のグロリア・スワンソンのようになるかもしれない。そんなときに、流星のごとく現れたのがダンディな男爵。二人は瞬く間に恋に落ちる。ところが男爵はお金に困っているホテル荒らし。実際のところ、プリマの持っている真珠を盗もうと部屋に侵入した際に出会うわけです。この二人は。プリマはお金持ちなので、男爵のためなら何でも投げ出す気持ち。一方の男爵は惚れた女に援助をしてもらうことなんてできない男気の持ち主。プリマは男爵に会えたことで、一気に躁状態に突入するんですよ。はじめて恋を知った少女のように部屋で唱い踊る始末。公演も大成功。むちゃくちゃカワイイ。男爵のほうはというと金策に困って大会社の社長の部屋に盗みに入るわけですが、運悪く殺されてしまう。もう、何度思ったことか。プリマに真珠をもらえよぉ~、お金だって用意してくれるよ、そして二人で幸せにくらそうよ、と。これがケイリー・グラントだったら即行で彼女にタカってたはず。コホン、それはさておき殺されたことを知らないプリマは一晩中彼を待ち続けるんですよ。で、事件を知らされることなくホテルを去る。ああ、なんと哀しいんだろう。せめて生前に男爵がもらしていた「初めて恋を知った」という言葉を伝えてあげたかった。男爵がかわいがっていた犬を引き取って欲しかった。だって『タワーリング・インフェルノ』のアステアは猫を大事に抱えていたじゃないですか!! 犬がどこに連れて行かれたかはわからない。たとえ事件が起きても何事もなくゲストを送り出すのが一流ホテルの務めなんだから。でも、でも、せめてプリマの付き人くらいは彼女のために動いてほしかった。そんなビジネスライクな人々に囲まれていたら鬱にもなるよぉ~。とまぁ、異常なほどにプリマに感情移入をしてしまったのでした。 【元みかん】さん 7点(2003-10-17 18:05:23) (良:2票) |
2.グランド・ホテル形式の映画が好きな僕にとっては観ないわけにはいかない映画だった。あらゆる映画がこの作品から真似ているなということが随所で見られとても楽しめた。 【スマイル・ペコ】さん 7点(2003-06-07 02:10:46) |
1.凄い人生の縮図。恋あり、嘘あり、悩みあり、絶望あり、夢あり、死あり、誕生あり、犯罪あり、希望あり・・・。ホテルは変わらないが、人生は転変として-ままならないね。恋に落ちたグレタ・ガルボに少女のような愛らしさがあった。 【Tomo】さん 7点(2002-03-01 22:52:14) |