1.《ネタバレ》 ディーン・マーティンはフランク・シナトラから銃を取りあげる時、帽子の中まで確認する…用心深い男なのかと思ったら自分自身が帽子の中に拳銃を隠し持っているからでした。しかしだからこそ敵の帽子も確認するのが当然であって、そんな見逃してしまうような些細な事をわざわざやってみせる芸の細かさが本作の面白いところなのです。ギャグにしても面白いかどうかは…別にして…重ねに重ねていますし、言葉で笑わせるのではなく、とても視覚的です。さらに女優さんたちの華やかさが凄まじい。衣装の派手さに見劣りしない圧倒的な肉感とでもいいましょうか、いやはや何とも雅なのです。ネグリジェ姿のマックスの後ろから光があたり体のラインがくっきり見えるというシーンは、エロティックでありながら下品になり過ぎてはおらずその加減が巧妙なのです。こうみんなが洒落こんでいますと野暮な悪党はサッサと退場するのが至極当然なのですが、ただせっかくチャールズ・ブロンソンを配役しているのですから、その扱いのぞんざいさは残念です。