《改行表示》31.だいぶどうでもいい話かもしれないが、ひとつ面白いことがあった。 「慎重もしくは臆病なせいで決断ができず、主人公と揉める上官」というのは映画でよく登場する。そして、そういうのが出てきた場合、常に正しいのは主人公で、上官が間違っているのである。これは私の知る限りではあるが、100%必ずそうである。 しかし、本作では、上官の判断は事前の打ち合わせ通りにしなかった点で正しくはなかったが、結果的にはそこまで間違ってもなかった。映画の定番通りにならない掟破りがあって面白かったのだが、なぜそんなことになったかといえば、それが史実だからなのだ。あの上官は、実際ヒットラーの生死が確認できないとして、作戦を実行しなかった。ランチに行ったのも事実だそうだ。 この映画はだいぶ史実に則って作られている。 この映画で興味を持ったので、このワルキューレ作戦についてwikiでも見てみたが、当時の記録が驚くほど詳細に残っていて、そして、本作はそうした事実にだいぶ忠実に作られていた。また、当時の建物や戦車などもかなり正確に再現しているそうな。 話の筋としてはそこまで大したものではないのだけれど、史実の再現ドラマという感じで、楽しむことができた。 【椎名みかん】さん [インターネット(吹替)] 7点(2023-10-11 07:02:16) |
《改行表示》30.非常に地味に丁寧に史実のヒトラー暗殺映画を描いた映画です。 この手の「実話映画」で問題になるのは最初から結果がわかっていることです。 戦争中に何度も計画されたヒトラー暗殺計画が成功していないのは誰しも知っている事なので、この映画の結末も誰でも想像できます。 結果が分かったストーリーを2時間見せられるのってどうよ?という事です。 この手の実話物の最高傑作は「ユナイテッド93」だと思いますが、あれは映画的な脚色を極力減らしたからこその緊張感がありました。 この映画の場合、娯楽映画としてのスタイルをとりつつ実話を描く、そういう意味では非常に上手に映画として作られているとは思いますが、結果としてやや中途半端になってるな、と、そう感じました。 また映画のあとにwikiを確認してトム・クルーズ演じる伯爵大佐が、実際にどういう人でどういう評価を受けているかを勉強できた事は収穫かなと思っています。 映画用の脚色したスタイルかと思いきやリアルにあの姿だったんですね。なるほど~ 【あばれて万歳】さん [インターネット(吹替)] 7点(2023-10-09 13:36:05) |
《改行表示》29.《ネタバレ》 特に理由は無いんだけどずっとスルーしてた作品ですが、特に理由もなく配信に上がってきたので鑑賞、期待はしていなかったけど面白かったです。人物についてはそういう人が居たらしい程度でしたが英雄視されるのもうなずけます。9か月ほどの差しかないけど成功してたら歴史はどうなっていたんでしょうね。。。 wikiでシュタウフェンベルクさんの顔写真が掲載されていますが気品のある顔立ちです、魅力のある人だった様ですね。 少しトムさんおアクション作が食傷気味なのでこういう作品ももっと頑張って欲しいですね。 最新のMIと本作のおかげで、僕の俳優別統計ランキングでトムさんが堂々の1位になりました。 マイページから確認してみてください、面白い統計がみれますよ。 【ないとれいん】さん [インターネット(字幕)] 7点(2023-08-17 17:15:04) |
《改行表示》28.《ネタバレ》 これも何度か放送されていて、ラストのあたりを2~3回観たことはあったんです、今回初めて録画してきちんと観ました。 クーデターというものにあまり良い印象はないんですが、この件に限ってはやはり印象は悪くないのね。トム・クルーズが唯一完了できなかったミッションですが。 そしてドイツ兵の中にもレジスタンスがいたということがわかっただけでも有益な映画でした。 ブライアン・シンガーはドイツ系ユダヤ人移民の家系だという、しかし巨人でクールな美形が多いドイツ人にはどうしても見えないトム・クルーズ、ドイツでは今も英雄とされている人物を、もろハリウッドの俳優が演じることにかなり反発があったらしい。 でもウィキでシュタウフェンベルク本人の画像を見たら、目元がトムみたい。伯爵であり、育ちの良さが出てますね。 海賊みたいな眼帯の効果もあるし、トムは期待以上に完璧に演じたと思います。 トム以外の主要な人物はほとんどが個性的な英国俳優であり、聞きなれないドイツ人の名前に苦心はしたけど誰が誰だかわからないとはならず、こういうところもいいですね。 トム・クルーズとケネス・ブラナーが一緒にいる映像というだけで何か感動してしまいました。ブラナーはドイツ兵が様になる人ですね、TV用だと思うけどヴァンゼー会議を描いた作品でハイドリヒを演じてた時も冷徹という感じがよく出ていたと思う。 ロケ地は実際の場所、跡地が使われたというし、史実に忠実らしい。暗殺に失敗した原因となるものもきちんと描かれ、わかっていてもハラハラして引き込まれてしまうのね、映画として優れていると思いました。 【envy】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-10-05 15:54:20) |
《改行表示》27.《ネタバレ》 これは、トム・クルーズものという先入観を良い方向に裏切る秀作でした。歴史の出来事ゆえ、誰もが結末を知っている出来事だけどちゃんとハラハラできましたもん。 B・シンガーの潔いのは‶ワルキューレ作戦”を歴史ドキュメントでも反乱者らの人間ドラマでもなく、サスペンスの素材として扱ったこと。ナチに対する批判も処刑された将校らの思想背景も、この映画からはうかがえません。 ヒトラー暗殺作戦は44年時のミッション・インポッシブル。人物をシンプルに駒としたことで、トム・クルーズもボロを出さずに乗り切った感があります。 トム・クルーズはいつものトムでしたけど、周りを固めるベテラン英国俳優の面子が激渋なことこの上ない。当時のナチ高官にもかなり面差しが似ているとは、これいかに。怒涛の名演技ラッシュは見ごたえありますし、衣装の精密さで当時のナチス軍服の美麗なことも際立ちます。ただ、やっぱり言語は丸みのある英語でなくガッガッ、というドイツ語で聞きたかったです。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-10-04 23:37:57) |
《改行表示》26.《ネタバレ》 ヒトラー暗殺の物語をよりによってユダヤ系で同性愛者のブライアン・シンガーが撮るというトンデモ企画だったわけですが、意外なことにシンガーはナチス時代の様式美の再現にこだわっています。それは車両や航空機の独特な美しさであったり、パリっと決まった制服のかっこよさであったり、整然とした官庁街の建築美であったりするのですが、私はこれらの描写を眺めているだけでも楽しめました。本作はアメリカ人やイギリス人が主要キャストを占めることで多くの批判を受けているし、私自身もその点は気になったのですが、他方でナチス時代の様式美をこれだけ克明に描写した作品をドイツ人の手で撮ることは政治的に不可能。トム・クルーズという大スターが身元保証人を引き受け、ユダヤ系に監督させたアメリカ映画だからこそ可能となった作品であり、ドイツ人役が英語で演じられるという欠点を補って余りあるほどの存在価値はあったと思います。 内容は極めて禁欲的で、政治的な善悪や人間ドラマといった領域にはほとんど踏み込まず、ヒトラー暗殺計画とそれに続くクーデターの成り行きを描くことのみに集中しています。『ユージュアル・サスペクツ』で映画史に名を残すコンビは端正な語り口でその顛末を描いており、ハラハラさせられる優秀なサスペンス映画となっています。彼らは歴史的事実として結末がわかりきっていることを逆手にとって、計画の首謀者達はどこでミスを犯したのかという視点で物語を組み立てています。現場でのとっさの判断ミスや(シュタウフェンベルクは急なスケジュール変更に対応するため準備していた2つの爆弾のうち1つしか使用せず、ヒトラーに致命傷を与え損ねた)、計画そのものが抱えていた欠陥(官庁街占拠という重要な役割を首謀者自身が担わずヒトラーの忠臣だったレーマーを駒として使い、彼をどれだけ騙しておけるかが鍵という不安定な計画だった)、その他の人為的ミス(一度目の計画失敗からオルブリヒトが慎重になっており、暗殺実行後のクーデターが著しく出遅れた)を浮き彫りにします。この視点は面白いと感じました。それと同時に、暗殺未遂で不意を突かれた後にもヒトラー陣営は腹の座ったところを見せており、首謀者側とはまるで格が違うということも描写されています。そもそもこのクーデターは成功しようがなかったという、冷徹な切り口で描かれているのです。アメリカ映画がここまで突き放した描写をしてくることには驚かされました。また、そんな作風に合わせてか、時に演技を張り切りすぎておかしなことになってしまうトム・クルーズも、本作では熱演アピール控えめで渋めの演技を披露しており、名門貴族出身のドイツ軍高級士官にきちんと見えるのだから大したものです。 禁欲的、それが本作の問題でもあります。人類史上最恐の独裁者の首をとりにいくとなれば、仮に計画が発覚しただけでもすべての関係者は死を覚悟せねばなりません。それほどリスキーな計画になぜ参加しようとしたのかは当然に観客にとっての関心の対象となるのですが、残念なことに本作は各当事者の背景に係る一切の描写を切り捨てています。このあたりを充実させれば重厚な歴史ドラマになったかもしれないだけに、ブライアン・シンガーの潔すぎる采配も考えものです。 【ザ・チャンバラ】さん [ブルーレイ(吹替)] 7点(2016-08-18 18:20:52) (良:2票) |
《改行表示》25.恥ずかしながら、こういう史実を知らなかったので、「へぇ~」と感心しきり。ほぼ全国民が熱にうなされるように「ハイル・ヒトラー!」なのかと思っていました。考えてみれば、冷静に状況判断する軍人がいてもおかしくないですね。ただ、けっこうな将校たちがずいぶんおおっぴらに転覆計画を議論していましたが、SSはいったい何をしていたんでしょう? 翻って日本の場合、戦時中にこういう軍人がいたという話は聞いたことがありません。仮にいたとしても、敵は「ヒトラー」のようなシンボリックな政治・軍事リーダーではなく「空気」なので、手のつけようがないでしょうが。 【眉山】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-12-05 23:15:31) |
24.《ネタバレ》 「すべての歴史は現代史である」現代では英雄視される主人公達も、当時はテロリストであり、反逆者である事は間違いない。桜田門外の変の水戸浪士も明治になって勲章を得ているし。勝てば官軍・負ければ賊軍である。歴史のifをとやかく言う楽しみを否定はしない(よくやったとも言えるし、もっと上手くやれよとも言える)が、結果のわかっている物語にサスペンス要素を求めるのは無理がある(関が原や大阪の陣や忠臣蔵、明治維新や226にサスペンスを求める人はいないでしょう)し、その時代に生きた人間たちのドラマを堪能するのが史実モノの醍醐味である。という点においては、国家の一大事において、権力に忠実である者、保身に走る者、原理主義者、己の信念を貫く者、迷う者、日和見する者、裏切る者等々、よくできた人物図鑑である。終盤で家族を心配する主人公に否定的意見もあるが、私は人間らしさが感じられてよかった。ユダヤ人を虐殺した将校たちも文芸を愛する教養人であり、家庭ではよき夫・よき父であったらしい。組織に生きるという事はそういう二面性を持つという事であり、それが組織の恐ろしさでもある。その事を何とも思わない人間もいれば苦悩する人間もいる。会社組織でセクハラ・パワハラ・その他犯罪行為をしつつ、家庭ではよき夫・よき父である現代人もその人間性においてはユダヤ人を虐殺したナチス将校と同じである。人間図鑑を提示して、あなたならどのように振舞うのか?という問いを鑑賞者に突きつける作品である。難点は尺が短く説明不足で少々わかり難いのと、ハリウッドスターを主役にしてしまった事によりやや重厚さに欠ける事か。客寄せパンダと貶す程悪くもないが。英語にも違和感があったが、吹き替えで見れば問題ないのかと。 |
23.失敗したヒトラー暗殺計画の存在は知っていましたが、結構際どい展開になっていてサスペンス感も十分です。ドイツでは主演のトム・クルーズに強い反発があったそうですが、宗教や人種、言語に当事者意識のない者には違和感なしです。時間的にも身近な史実なので「たら、れば」はいろいろ考えてしまいますが。 【ProPace】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-07-18 23:48:32) |
22.映画は淡々と進むけど、大佐のハートは熱くて心を打たれた。トム・クルーズは良い俳優だと思うんだけど。 【センブリーヌ】さん [DVD(吹替)] 7点(2014-08-24 02:46:27) |
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21.このようなクーデターがあった事を初めて知りました。命そのものを絶とうとする権力闘争の結末に同情心は涌いてきませんでしたが、皆が皆「ヒトラー万歳」ではなかったところに感じ入るものがありました。トム・クルーズの「ハイルヒトラー」と「ドイツ万歳」が強烈でした。 |
《改行表示》20.《ネタバレ》 (英語音声、日本語字幕でも観ています) この手の事実を元にした話はすでに結果を知っているだけに、どれだけ結末までの展開を魅せるかが重要なのだが、最後までハラハラドキドキという印象もなく終わってしまったのが残念。まあ、ヒトラー暗殺"未遂事件"の顛末を知らない人なら手に汗を握って観ることもできたのかもしれないが、この手の映画を観る人ならたいていは事件の概要を知っているだろうから、かなり損をしているとも思える。 わたし的には、冒頭、アフリカ戦線で4号F2型やSd.kfz.222ぽいのが出てきたシーンだけでも観る価値はあったと思うしかない(笑)。その直後から終盤までJu52も大活躍していたし、将官の逮捕拘束シーンでppkが出てきたりといった、様々な装備を楽しむという見方では楽しめた。 クーデター決行後、反ヒトラー勢力はかなり混乱していて統制が取れておらず組織的な行動ができていなかったというが、その辺の描写がものたりなく、レーマーひとりの手柄でクーデター計画が挫折したかのような描かれ方になってしまったのが残念。実際は、ベックやオルブレヒトの行動力の無さが大きかっただけに、もし彼らがラジオ局を占拠して煽動放送を繰り返していたら結果が変わっていたかもしれないし、ロンメルも死なずにすんだかもしれないと思うとさらに残念でならない。 実際のシュタウフェンベルク伯爵は、思ったよりも最初はヒトラーに傾倒していたようだから、本作の中で、そういう思想だった彼がいかにして暗殺の主役になるほど考えが変わったかを、もっと描写して欲しかったと思うのは私だけだろうか? 【オオカミ】さん [DVD(吹替)] 7点(2011-03-04 22:10:44) (良:1票) |
19.《ネタバレ》 芝居はうまい、絵は良い、しかし、何か物足りない。う~ん音楽かな。「ヒットラーだけの暗殺に専念しておけば」という意見の方々、ぜひ、軍とか組織とか歴史とかに触れてみて、もう一度みてみてください。 【みんな嫌い】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-01-07 23:01:17) |
《改行表示》18.正直な気持ちとして楽しめましたよ。その理由としては、ドキュメンタリー的に鑑賞したこと、それから何より私自身がこの史実について殆ど無知であったこと。 緊迫感があってスピーディな演出は、例え作戦失敗(ヒットラー存命)という結果が判っていても、ハラハラドキドキ感をもって楽しめると思います。また、ドキュメンタリータッチゆえに必要以上の裏事情や人間ドラマを織り込まなくても済んでしまう。つまりは、観客としてのターゲットはこの歴史的事実を知らない人たちなのでは?と思えたわけです。 歴史ドラマの作り方は様々あると思います。徹底的に史実に忠実に作るも良し、制作者の主観と解釈を思う存分に詰め込んで作るも良し、史実を歪めて(もちろん「この物語はフィクションです。」の断り書き付き)描くも良し、等々。この作品は、極めて無難に、いわば初心者向きに作られたエンターテインメント作品と受け止めて7点献上です。 【タコ太(ぺいぺい)】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-09-25 11:20:11) |
17.ドイツの史実には詳しくないが歴史的教育ドラマというより単純にハラハラして見れた。 結末は予想できてもそこに行くまでの過程が丁寧に作られていたので飽きずに見れた。 戦争映画は派手なドンパチの方が自分としては好き。 【Jane.Y】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-08-15 10:29:26) |
16.《ネタバレ》 史実に基づいている(しかも有名な)だけに、結末はある程度分かってしまっているが見せ方がうまく面白かった。 【のははすひ】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-02-11 23:23:55) |
15.トムはやっぱり絵になるね。言動一つ一つがカッコいい。展開も、後半になるにつれ、緊迫感が出ていた。トムが演じる信念が一貫しているが、どこか脆いシュタウフェンベルクだったら俺もついて行くかも。 【はりねずみ】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-08-02 22:27:40) |
14.《ネタバレ》 元々結果がわかっているストーリーなので、歴史に詳しい人には物足りない映画かもしれないが、一般的にはサスペンスもあり、シュタウフェンベルク大佐の家族との葛藤も表現しており、大佐の苦悩と決断に至る過程を良く描いていると思います。欲を言うならば、かのロンメル元帥も、この暗殺未遂事件にも係わったとされているので、この辺のストーリーも映画に挿入していたらおもしろいかなぁと、個人的には思います。 【なにわのジョージ】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2009-07-30 23:22:22) |
13.《ネタバレ》 日本の戦争映画を観ているような気がした。同じ時代に同じような環境におかれた状況で日本とドイツは同じような決断をする国民なのだろう。ヒットラーが生きていようがいまいが国を変えるチャンスだったと思うが「強い」指導者に絶対服従してしまうメンタリティーはアメリカのような国にはない独特な国民性だと感じた。 【kaaaz】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-07-25 00:02:22) |
12.ゲッペルスの青酸カリを口に含みながらの対応が彼の天才ぶりをあらわしていて、リアルだった。ところで、これはどこまでノンフィクションだったのだろうか? 【あるまーぬ】さん [映画館(字幕)] 7点(2009-05-31 14:47:10) |