37.《ネタバレ》 “Superman: The Movie”はデイリープラネット社のレイン記者が“A FRIEND”と名乗る超人的能力を持つ人物に付けた名前。地球人としての名前は『クラーク・ケント』で、その正体はクリプトン星人の『カル=エル』。
'50年代前後に、何度か映画化やアニメ化、ドラマ化を経て、決定版として本作が創られた感がありますね。電話ボックスで変身しようとしたら公衆電話(スタンド)化してたなんて、時代を感じさせる遊び心も感じられます。
ストーリーを完全再現する方向性なのか、我らが知るスーパーマンが登場するまで50分も掛かります。クリプトン星の滅亡からクラーク・ケントの学生時代、両親との別れなんかが描かれるんだけど、ゾッド将軍の追放とか、本作だけだと意味不なシーンも入ってますね。
アメコミ変身ヒーローの王道作品で、ジョン・ウィリアムズの有名なスコアも映画を盛り上げます。そして何よりスーパーマンのヒーロー性・真面目なキャラ設定も、王道一直線って感じです。
王道のスーパーマンに比べたらバットマンは根暗。フラッシュ・ゴードンはウスノロ。スパイダーマンはいけ好かないマイペース野郎…
子供向け変身ヒーロー映画の王道作品なんだけど、時代に沿って取り入れたのが“お色気要素”。ハスキーボイスでキュートなロイスに、劇場に子供を連れてきたお父さんも釘付けです。
路上強盗を蹴り倒すロイス。スカートからスラリと伸びる足を収める絶妙なカメラ位置。
そう来たらヘリコプターからぶら下がるロイスを見上げる視線に期待しないわけがない。見えそうで見えない演出がニクいですね。
シースルー・ドレスに夜空の散歩。そうか、ピンクなのか。
ミス・テシュマッカー(吹き替えだとのび太の声だった)もシースルー・ドレス。大サービスでプールにドボン。子供向けなのにミス・テシュマッカーの胸が。
でもキスシーンの可愛さに、普段なら目くじら立てるお母さんも大満足。わかるわその気持。
スーパーマンのピチピチのコスチュームが、水に濡れてハッキリ観えるムキムキのボディライン。そういやピッタリした赤いパンツもセクシーです。
この映画をキッカケに、後のアメコミヒーローの映画化に、必要不可欠な要素(お色気)が決定した!と言っても過言ではないでしょう。
この流れで書くけど、カル=エルって性格歪んでます。
ロイスが派手なスーパーマンに惚れてるのを知っていて、地味な友人クラークを演じて、ロイスの心を探って楽しんでます。
ここに来て、必要性が不明だったクラークの学生時代、アメフト部で虐められていた描写が、彼の性格が歪んだ理由として見事に立ち上がってきます。
う~ん…スーパーマン=アメコミヒーロー映画の王道。…なんて安易な言葉で片付けちゃいけない、闇の深さを感じますねぇ。