1.《ネタバレ》 私がすべての謎を解説します。けっこう核心をついた感想を書いている人もいて驚きました。レイプされ続けてきた幸薄の女性について。ヨンジは、村長一派に心から屈したわけではなかった。彼女が、毎夜、変態村の住民たちから、レイプされ続けていた理由は、岸谷五郎似のパパが、村長一派の、実質的な人質になっていたからです。村長一派が、ユンジの前で言う「俺はユ氏の味方だから」という言葉は脅迫です。もし、お前が逃げ出したりすれば、いつでもパパを殺すという意味なのです。そのため、彼女は村から脱出せずにレイプを受け入れていた。こういうクズ男たち、みているだけで吐き気がする。パパの死因は自殺です。パパは自殺することによって、ヨンジを解放し、村長一派と戦う決意したのです。パパは村長とズブズブな関係だったために、もはや離れたり、戦うことはできなかったのですね。息子を呼ぶように、彼女に指示を出したのもパパでしょう。サムドク祈祷院事件の犯人は、村長かもしれないし、パパかもしれないし、パパの信仰者であるヨンジかもしれない。村長ならば利己心から、パパならば狂気の善から、ヨンジならば揺るがない愛情から、殺す動機は三者三様。それだけの話で、だれが犯人でも、それを探すことが、本作品の目的ではないと考える。パパが長いあいだ、自殺を、ためらっていた理由は、やはり自殺は大罪だという思いがあったからでしょう。しかし、罪が人を救うこともある、という考えから、時間はかかったが、ようやくそれを実行した。問題のラストシーン。主人公は村を訪れる。村はまったく変わっていた。公園では子供が元気よく遊びまわり、村人たちからは笑顔が戻っている。そして歓喜にあふれる村の中心にいるヨンジを見上げて、主人公は、はじめて気が付くのだ。村を救ったのは彼女だった、と。主人公が、勝手に弱者で、村長の手先だと思い込んでいた彼女が助けてくれたんだ。最後の彼女の笑みは、「ようやくいまごろ気が付いたの?」という意味でしょう。レイプに耐えてきた女性の強さを表現しています。最後に主人公が、彼女に、ほんの少しだけ、頭を下げて、お礼したように見えました。