1.《ネタバレ》 まず1960年代の新宿の風景を観ることができただけでも満足。
新宿にたむろする3人の青年。
お金もなく女にももてず将来の展望もない3人。
そんな3人が6畳一間のボロアパートに住んでいる。
これだけの設定で既に面白いと予感した。
作品名や性描写などは過激な部分もあるがそれは一つの表現方法であって、あくまで本作が訴えたかったのはやり場のない若者が鬱屈し、そしてその欲求のはけ口を見つけられないまま性欲にはしる。
その結果待っていたものは、社会により抹殺されるという結末。
なんという救いの無い話なんだろうか。
学生運動が盛んだった時代背景もあり、その学生運動にすら興味を持てない若者は、社会の隅に追いやられ行き場をなくす。
現代日本においても不景気続きで、似たような窮地に追い込まれている若者も多いかもしれない。
そんな若者達がどうしたらそんな境遇から自力で抜け出せるのか。
それを真剣に考えさせられた。
単なるポルノ的作品ではなく社会派的な要素も持った作品で、新宿に当時確かに存在したであろうジメジメとした実に陰鬱な世界をリアルに描いており、この時代の新宿に興味がある私にとっては十分に楽しめる作品だった。