《改行表示》15.《ネタバレ》 映画を観た後、いつもその映画の内容とタイトルのつながりを考えてしまいます。『夢売るふたり』ですが、これは彼らが自分たちの夢を安売りしていたのか、自分たちではない誰かに夢を売っていたのか、どちらなのかなと疑問に思いました。 板前の旦那がいる夫婦が最初のお店を焼いちゃって、再出発(お金)のために夫婦で結婚詐欺を働くというストーリー。このストーリーの入り口のところで、松たか子さん演じる奥さんの葛藤がわかるようなわからないような。旦那がふとした流れで女と関係を持った結果もらった大金を焼いた直後に結婚詐欺を思いつくって、ちょっと理解し難い。旦那に焼いた札束を投げつけた後でそれを拾い集めてるシーンから、少し後悔してそうな雰囲気はあるのですが、だからって結婚詐欺を思いつくかな??映画だから、と言ってしまえばそれまでですが、あんな簡単に同時期に何人もの女性を騙すというのもなかなか、、、。 そもそもお金のために誰かと関係を持つことができるのがよく分からない。あくまで個人的な感覚ですが。むしろ、誰かを好きな時はお金なんかほとんど関係なくなるもんだと思っていました。それはこの映画では騙された側の女性の心理なんですが。詐欺夫婦もその都度詐欺を働くことについて衝突していますが、よくそんな疑問抱いたままそんなことできるなというのが驚きです。自分ならそんなことを思った時点で顔やら言動やら態度に出まくるので、多分詐欺師には向いてません。苦し過ぎるわ。 「都会に隠れた輝くことを忘れた星達に色を塗り、また輝かせる」 詐欺の手口をそのように語っていた里子(=松たか子さん)ですが、結局『夢売るふたり』というのは、自分の求める何か、一度はなりたい何かになりたい人たちに「夢を売る」という意味だったのか。それとも、そんな詐欺行為で稼いだ金で「自分たちの夢を安く売って」いたのか。どっちなのかは分かりませんが、どっちでもくだらないなと思ってしまう映画でした。あ、映画自体は面白かったんですよ?反面教師的に学べた映画だと感じました。 【TANTO】さん [インターネット(邦画)] 7点(2021-05-09 02:30:01) |
《改行表示》14.《ネタバレ》 良かった。 でも(私が)好きな映画ではない。 長いし、騙される女性たちを観るのがつらかった。 だから何度も止めながら観た(三日かけて)。 里子と貫也は、完全に悪人だ。 飲食店の開業のためなら、 女性たちの人生を踏みにじって良いのか? 女性たちを騙して良いのか? 貫也には罪悪感があったが、 里子には全く罪悪感が「無い!」ような気がした。 有名俳優が演じるから見た目は悪くないけど、 もし実話で、もしその写真や動画が公開されたら・・酷い容姿の夫婦だろうなあ。 あらすじは、若い夫婦が結婚詐欺をする。 夫が女たちを騙しまくる(10人くらい?)。 妻も協力する。 妻が主犯で作戦担当で、夫は妻に従ってる感じ。 トンデモ夫婦だ。 以下、ネタバレで! 夫は、妻をたまに罵りながら、多数の女性と関係をもつ。 夫婦で協力しての詐欺行為だが、妻は寂しいようだ。 で、犯罪はいつかは必ずバレるもの、映画だし。 少年が刺した! なぜ刺す? とんでもないガキだ(恐ろしい)。 たぶん五歳くらいだが、五歳なら刃物が危険なことを理解している。 事情を母親は知ったのか? 息子が忘れるわけが無い(私見)。 すべて曖昧。曖昧さがこの映画の作風で不満は無い。 男児の罪を、夫(貫也=阿部サダヲ)が全部かぶったのだろう。 夫が刑務所に行ったのは、傷害罪だけだろう。 つまり結婚詐欺は、有耶無耶(うやむや)だろう。 探偵は元刑事のようだが、詐欺は表沙汰じゃない? 警官が来て、赤いライトに気付いた妻(里子)が逃げる。 結婚詐欺が見つかったと察知したのだろう。 そして漁港で働いているが、警察から逃げてる最中か? わからない。 妻は警察から追われてないのかもしれない。 そして妻は最後に何を観た? 妻は最後、嬉しそうじゃない。 覚悟を決めた、そんな感じだった。 警察が来た? そんな気がした。 あるい来たのは、詐欺の被害者か? 探偵か? 同監督の『ゆれる』はTV放送で観たが、ながら見だったので理解していない。 だから今回が、私にとって初の西川美和監督作品。 『ゆれる』をきちんと観直したいと思っている。 さて、(38の)トント氏のレビューを読んだ。 貫也たち10人くらいが大釜で調理している。 そのうしろに、制服で制帽の刑務官が(ぼんやり&明確に)見える。 つまり貫也は受刑者で服役中だろう。 里子は漁港で勤務中でフォークリフト免許も取得したらしい(現在も逃走中?)。 ★余談 今回が、今年2021年初のレビュー 【激辛カレーライス】さん [DVD(邦画)] 7点(2021-03-01 23:51:35) |
13.コメディとシリアスがちょうどいい具合に同居しているので楽しめた。細部に気になる点は多いけど、松たか子で相殺。素晴らしい女優です。西川監督だからこそ彼女にここまでの演技をさせられたのだろうな、と思うと監督の今後がとても楽しみ。もっと伸びる可能性がある人です。日本の映画史上に残る女性監督になうことでしょう。 【カニばさみ】さん [DVD(邦画)] 7点(2016-07-05 01:44:48) |
12.《ネタバレ》 ラストショットで松たか子がじっと見据えていたものってあれってなんだったのだろうか すごく気になったのですが、そのことについてはどなたも触れられてはいないし すなわち答えはわからない。だからとりあえずはこちら自分のことを見つめてくれていたもんだったんだと勝手に理解する すなわちサービスショットだったんだなとか思うことにいたそう(ヤだな 自分バカん。) しかしこれ、男性監督だったなら ひっどい脚本、だけど違う、原案そして監督 西川美和さん はい、女性監督ですよね 途中、松たか子に変なコトやらせたましたよね んん バカん。リフティングの選手がロバートの秋山似である必要性があったのでしょうかなぁ かわいそうになぁ~ バカん。 【3737】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-05-25 22:47:42) |
11.う~ん、問題作ですね..予想はしてたけど、これほどまでに、後味が悪いとは..本作を観て、感じるのは、企画(あらすじ)ありきの “物語” だと思います..こんな夫婦がいたら..という、アイディアから..色んな付属品を付け足し、一つの物語に組み上げたって感じ..必然性とか..最後のオチとか..強引な粗い仕上がりが、目立ちます..そのあたりが、見え隠れしているので..もっと、脚本を練って、誰もが共感できる部分をオチにしないと..面白さが、半減してしまいます..ブラックでもなく、シュールでもなく、中途半端..残念... 【コナンが一番】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-12-23 16:16:03) |
10.《ネタバレ》 ○西川美和監督作品を続けてみているが、やはり人間の嫌なところを描くのがうまいなと感じる。○それを演じるキャストも良かった。「告白」でいまいちだなと思っていた松たか子も本作で見直した。○ラストについてはいろいろ調べてみてなるほどというものもあったが、いろいろと分析してみたくなる作品だった。 【TOSHI】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-12-22 21:25:13) |
《改行表示》9.《ネタバレ》 言葉にしにくい感情を表現しているという意味で、ケータイ小説や少女マンガとは別次元の恋愛ものでした。なんか、トリュフォーの映画でも観ている感じで、色んな感情が渦巻いて見応えありました。 中盤で亭主が妻に対して「(俺の)浮気と、生活に余裕のある女たちへの復讐だろう」と指摘します。私もその通りだと思いました。妻も自覚していたはずです。でも、妻は徐々に心の均衡を失って行きます。亭主がカモである独身女性たちに同情的だからです。その同情に対して、妻は嫉妬しているのでした。ここ、すごく微妙な感情の起伏が演出されます。自分がやらせている行為なので、妻は亭主に止めろと言えません。まして、彼女たちに同情するなとは言えません。人柄は鎖に繋げないからです。亭主が金儲けに体を使っている間、自分で慰める妻。生理用ショーツは、受精せずに流されて行く子供の暗喩でしょうか。強靭に見えて、実は脆くてデリケートな妻の心情です。 対する亭主も繊細なんだけど、そんな妻の心情を100%は解せない。これがマンガやドラマなら(笑)、ハッとして妻の内面に気付くシーンが用意されるけど、本作は最後まで転げ落ちます。そこまで追い詰めて、何が見えてくるかを追いかけた作品でした。確かに詐欺は「夢を売る」と形容できると思います。本作の結婚詐欺もそのひとつだけど、この夫婦は結果として自分たちの夢まで売ってしまった。だから、タイトルは半分皮肉です。 本作から何らかのメッセージを得るのは難しかったです。敢えて言葉にすると、男女のデリケートは質が違うってことでしょうか。男のデリケートは外に向かって発揮され、女のデリケートは内に籠って行く。思い切って言うなら、女の方が残酷で怖い。そんな印象です。そして、「ゆれる」と同様に、エンディングの解釈を鑑賞側へ投げてくれます。妻の顔は「もう、放っておいて」と言ってます。あのシチュエーションの相手は亭主以外には考えられない。出所した亭主をにこやかに迎える気になれないのです。自分の心情を汲んでくれなかった恨みが尾を引いているのでしょう。夫婦は共有していた夢を売り尽くした状態から、再スタートが切れるのか? それが監督からの問いかけのような気もします。妻の不機嫌はツンデレの一種、と私は考えたいです。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2013-11-10 21:26:34) (良:2票) |
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《改行表示》8.《ネタバレ》 ようやくネットレンタルでDVDを借りられ、長期間放置していたがやっと鑑賞。 過去作が好きな監督なので期待していたが、過去作を超えたとは思えず。 ただ、比較などしないのであれば「普通に」楽しめると思う。一定以上のクオリティはあると感じる。 上手いなーと感じたのが、徐々に夫婦がすれ違ってきたことを表す、自転車で出掛けた夫を妻が見送る場面。 夫は振り返るのだが妻はおらず、妻が店から出てきて夫の自転車を見送ろうとした時にはもう夫は居ない…という、何気ないすれ違いの描写に夫婦の関係性が上手く表れていた。 あとは、日常の崩壊を上手く表していると感じたのが、店にネズミが出る場面。 里子はお金も貯めて一見幸せそうに店を切り盛りしているが、少し裏を覗くとそこにはネズミ(崩壊の象徴)がいる…という、日常に侵食する崩壊の予兆を上手く感じさせてくれた。 役者は、主演を始めとして良かったと思うが、特に風俗嬢役の安藤玉恵が印象に残った。 あまちゃんでの「冴えないが憎めない・栗原ちゃん」のイメージが強かったので、本作で見せる大胆なシーンに、幅の広さを感じた。 悪くはないし、それなりによくできていると感じるが、やはり過去作と比べてしまうと物足りない…そんな作品であった。 |
7.居酒屋を経営するある夫婦の平和な日々が一転、火事によって引き裂かれてしまう。2人がもう1度店を復活させたい一心でたどり着いた答えはー詐欺だった。あんなに善良そうだった2人が夢の為に人を騙し犯罪を重ねていく。物語は夫婦である男と女の対比を見事に描き出していく。夫はひょんな事から大金を手に入れ、満面の笑みで小躍りしながら家に帰り、妻にこれでまた店をやり直せると報告する。しかし、それは訳ありの金である。単純でバカな男を阿部サダヲが巧く演じていた。そして、勘の鋭い妻を演じた松たか子の演技が凄い。札を燃やして夫を問い詰める修羅場が最恐だ。女の怖さを前面に出している。また、生理用ナプキンを装着する場面や自慰に耽る場面など一見不要と思われがちだが、それがいっそう女の生々しさをもろに出すことに成功しているのではないかと思った。とにかく、最初から最後まで主演2人の演技が光っていた。 【ヴレア】さん [ブルーレイ(邦画)] 7点(2013-10-22 20:52:08) |
《改行表示》6.《ネタバレ》 う~~ん、なかなか面白かったと言えば面白かったんですが、 最後の辺り、何か言いたくても言えない、言わずにいる里子のことが 気にかかります。 松たか子は素晴らしい演技なんだけど、眼の表情、演技はちょっと過剰かな。 あそこまで眼に言わせては、次が読めてしまうもの。 ある意味すごいと言えばすごいんだけど・・と書いていて、 きっと詐欺に至る気持ちに、意趣返しだけでは説得力のない脚本だったのかな、と 感じています。 それに包丁の場面、子どもをかばうにしてもあのままは・・ 女性と子供は黙っていたとしても鶴さんが一番分かってるでしょ。 最後も・・暗いし怖いなあ。 【AKO】さん [映画館(邦画)] 7点(2013-06-03 11:28:48) |
5.《ネタバレ》 夢売るふたりってタイトルを読んだとき、詐欺を働いて自分たちの夢を売る(削る)っていう意味だと思ったんですね。そうしたら、映画の中では、詐欺を働くことで、相手の女たちに夢を売ってあげてる二人って意味だって松たか子が言ってたんです。でも、やっぱり見ていくうちに夢を売っているのは二人自身なんじゃないかって、思うんです。 【kaneko】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-05-09 18:05:46) |
4.《ネタバレ》 女性ならではの視点が随所に有り、なかなか興味深く鑑賞出来た。人の良さそうな夫婦が、いかにして詐欺に手を染めてゆくのか?その辺りの話の持って行き方が非常にすんなりとしていて、お見事としか言いようがない。かなり練りこんだろうな~ていうくらい本当に素晴らしい脚本です。ただその分、どうしても現実問題として気になる点もあった。阿部サダヲは傷害罪なのか詐欺罪なのか?傷害罪にしてもあれだけの目撃者がいて、さらに状況証拠など細かなことを全てひっくるめていくと、腑に落ちないリアリズムの欠如を感じてしまう。さらに詐欺罪にしても、共犯である松たか子がそのまま野放し状態というのも納得がいかない。また、借用書を作成しているから詐欺罪にはならないのか?どうなんだろう?騙された女性たちがカウンター席にズラリと並び、口を揃えて悪い人じゃないと熱く語っている。田中麗奈だけが例外で、夢への執着心が強すぎた。まぁ彼女の存在が物語を着地させるためのものなので、こういった憎いまでの配慮にはホトホト感心させられます。だからこそ、事件に対する取り組み方ももう少しリサーチをしてほしかったです。夢を売る詐欺師。その夢をキッカケに、やがて赤裸々になっていく男と女の性。何とも言えぬ哀愁に満ち溢れた、近年稀に見ぬ傑作でしょう。 |
《改行表示》3.《ネタバレ》 これは難しい。感想パスしたい。120分ずっと、見ていてしんどい。胃が痛くなる系映画。 詐欺行為により二人が疲弊していって、関係が破綻していく・・・っていうだけの話なら簡単なんだけどね。そういうんじゃないんだな、これが。 どこが本心で、どこが悪意か分からないし、どこに良心があるのかも分からない。圧倒的な威圧感を持つ松さんもさることながら、妻を見下したり見透かすようなクズ台詞を発したり、善良な女たちをしれっとハメまくる阿部サダヲも相当怖い(女たちに夢を売っているということで良心を帳消しにしているのだろうか…?)。 「それをいっちゃあお終えよ!」的なことを言っても、普通に二人の関係が続いていたりして、二人の内部で何が起こっているのか途中から全然分からなくなっちゃった。ところどころ表情で語ってはいるんだが…。 終わり方も、「え、そこで切っちゃうの?」ってところだし。徹底した不親切さ! たぶんもう一回くらいみないとスッキリしないんだろうけど、もう一回みるのはしんどいなー。でも、ちょっと観たいなー。 それにしても鶴瓶のあの迫力はどっからくるんだ。人殺したことありそうな迫力だよ。アウトレイジに出演して欲しい。 【すべから】さん [映画館(邦画)] 7点(2012-10-17 23:03:14) (良:2票) |
2.《ネタバレ》 相変わらず見せ方がうますぎる。カメラは登場人物の感情に呼応するように動き、止まり、冷たく眺める。俳優陣の繊細な演技がそれに応える。一言では説明しえない、各々の複雑な心情がよく伝わってきます。結末に関しては、ただ成り行きそのままに完結してしまったような印象で、「ゆれる」「ディア・ドクター」に比べると物足りない。 【j-hitch】さん [映画館(邦画)] 7点(2012-10-17 14:55:43) |
《改行表示》1.《ネタバレ》 夫に結婚詐欺をさせる妻・里子の真意とはなんだったのでしょうか。 夫・貫也が言った『腹いせ』だとは自分には思えません。 自分には、それは純粋に貫也の夢のために思えます。 しかしその気持ちと裏腹に、女性と接触する貫也に嫉妬を感じていた。 それでも彼女は、貫也のため、夫に詐欺をさせた・・・ さらに彼女は、そんな自分の人生を『卑怯』と言うのです。 そして、彼女の本当の願いは、貫也とともに幸せな家庭を作ることなのではないでしょうか。 映画の後半で、里子は『お義父さん(イントネーションから、おそらく貫也側の父)』に「こんど2人で帰るから」と涙ぐみながら言っていました。 詐欺行為の発端になった女性・玲子にはお金を返しましたし、彼女の目的が「他人に不幸にさせる」というのは、疑って掛かるべきことでしょう。 包丁を持った彼女が『子ども』に救われたのも、それをあらわしていると思います。 自分は、この映画で一番悲しい存在なのは、 女性とつきあう貫也に嫉妬し、 その貫也の行動を彼の夢のために肯定し、 他人の人生にのっかり、 さらに自分は卑怯だと思っている、 里子だと思います。 【ヒナタカ】さん [映画館(邦画)] 7点(2012-09-09 18:56:10) (良:3票) |