3.「痛ッッッ!!」
と、思わず鑑賞者に言わせる回数は、アクション映画における重要な評価の指針になり得る。
唯一無二の目的として、相手を“殺す”ために殴り、蹴り、刺し、撃ちまくるこの映画のアクション性は、ひたすらに“痛い”。
ほぼ全編通して映し出されるその鮮烈なアクションとそれに付随する痛々しさは、紛れもないこの映画のオリジナリティであり、世界が熱狂したことも頷ける。
麻薬王が支配する30階建ての集合住宅に20人のスワット部隊が乗り込み、死屍累々の激闘を延々と繰り広げる。
まるでストーリーが無いように見えるが、実はそうではない。この映画の場合、見せたいアクションを突き詰めた結果、ストーリーが極限まで削ぎ落とされ、アクションそのものがストーリーと化しているのだと思える。
ひたすらに延々とアクションシーンが繰り広げられるため、いくらそれが鮮烈だと言っても、それなりのアクション映画ファンでなければだれてしまうことは否めない。
ただ、「それの何が悪い?」とこの映画は堂々と開き直っている。
インドネシアの映画産業がどれほど栄えているかは知らないが、決して潤沢な資金があったわけではないだろう。
しかし、そんな中でも、自分たちが世界に誇りたい格闘を世界に通用する映画の中で表現したいという強い思いが、今作には溢れている。
その意識の強さこそが、もっともエキサイティングなものだと思う。
こいつらこそまさに誇り高きエクスペンダブルズ(消耗品軍団)だ。