33.《ネタバレ》 ハリウッドでヴェトナム戦争を初めて本格的に描いた作品というよりも、恐怖のゲーム“ロシアン・ルーレット”を世に知らしめた功績(?)の方が大でしょう。このロシアン・ルーレットはヴェトナムにもヴェトナム戦争にもなんの関係もなく、ラスヴェガスでロシアン・ルーレットが行われるという脚本があって、それをプロデューサーが無理くりヴェトナム戦争に結び付けたのがそもそもの成り行きだったみたいです。戦場の真っ只中や陥落寸前のサイゴンでロシアン・ルーレット賭博に熱狂するヴェトナム人を見せられると「どんだけロシアン・ルーレットが好きやねん、ヴェトナム人は」と誰だって嫌悪感を催すはずで、そりゃヴェトナム人が怒るのは無理ないでしょう。 ストーリーは三部構成になっていますが、ストーリーテリングは三時間も上映時間があるのにけっこう雑な感じもあります。ピッツバーグ郊外の故郷からヴェトナムの戦場への切り替わりが唐突なのはまあ編集上のテクニックかもしれませんが、戦場での三人の捕虜になるまでの経緯がすっ飛ばされ過ぎです。デ・ニーロはクリストファー・ウォーケンやジョン・サヴェージとは違う部隊(特殊部隊か)であるのは明確ですけど、三人が戦場で再会したら次の場面では捕虜になって水牢みたいなところに押し込められているってのは展開が速すぎ。この映画、前半の結婚式までのシークエンスやロシアン・ルーレットの場面はくどいほど長いのに、人間関係の描写には手を抜いているような感じがしてならないのです。 ヴェトナム戦争で人生を狂わされた三人ですが、やはりデ・ニーロの演技がいちばん光っています。スティーブンとニックは明らかにあっちの世界に足を踏み入れた感じですが、抑えた演技で通しますけどマイク=デ・ニーロがもっとも狂気に満ちている気がしました、さすが「頭のおかしいキャラを演じさせたらデ・ニーロの右に出る者はいない」です。故郷では仲間内ではもっとも紳士的ですけど、時おり理解不能な哲学的(?)なことを言い静かに怒りを爆発させる。戦場では絶えず二人を攻撃的なほど叱咤し、ロシアン・ルーレットにも恐れを見せずに挑む。ヴェトナムですっかり人が変わってしまったと言えばそれまでですが、復員してからもどこに行くにも軍服姿で通す。唯一狩りのときだけは私服に戻りますが、いわば素に戻った彼はもはや鹿を仕留めることができないのでした。ニックを連れ戻すためにサイゴンに戻るマイクですけど、もはや廃人同然のニックとロシアン・ルーレットの勝負をするというところに、マイク=デ・ニーロの訳の分からない狂気が迸ります。 20年ぶりぐらいに観返してみて、しょうじき初見のときのような感動は薄れ、なんか粗が眼についてしまいます。でも、ヴェトナム戦争の傷がまだ生々しかったアメリカ人には、名曲“カヴァティーナ”で始まりそして幕を閉じるこの物語に打ちのめされたのは理解できますね。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-10-17 22:55:36) |
32.30年ぶりに観ました。シリアスでリアルな色調の画が素晴らしい。とくに黒い闇が秀逸。真っ直ぐに進んでいく脚本は良いが、最初の1時間のバカ騒ぎはさすがにダルかった。とにかく重い映画。生きてることは素晴らしいということが伝わってきて感動する。 【ブッキングパパ】さん [インターネット(字幕)] 7点(2020-05-07 20:16:03) |
《改行表示》31.《ネタバレ》 3時間超える映画は好きではないのですが、主人公たちの友情と幸福を描いた1時間、ロシアンルーレットから脱出する1時間、友達を取り戻そうとする1時間の3つに分けられて長いとは感じなかったです。 ディア・ハンターといえばロシアンルーレット?自分もロシアンルーレットから来て鑑賞したんですが、生き残っても死んでも無事ではないなと・・・ひしひしと伝わります。 【ラスウェル】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2016-08-12 00:12:55) |
30.3時間の上映時間が全く長く感じない。どのシーンも迫力十分で見応えがあり、クライマックスからラストシーンにかけての展開はとっても好き。 【カニばさみ】さん [DVD(字幕)] 7点(2016-03-14 02:42:49) |
29.ベトナム戦争当時のことを知らない世代です。いかに狂った世界であったか、有名なロシアンルーレットのシーンが象徴しています。同じ銃を使う場面でも、戦場と故郷とでまるで違う世界です。戦場へ行った者の大変さはもちろん、残された者、迎える者の辛さも伝えられていました。当時の風潮を考えると、無視できない映画だったんではないでしょうか。 【shoukan】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2016-03-13 17:10:31) |
《改行表示》28.《ネタバレ》 非常に荒削りな映画。 鹿狩を終えバーで祝杯を上げてると思ったら、何の予告もなくベトナムの戦場に移った時には少し驚いた。 私自身はこのような唐突な「シーン」の入れ替わりを荒削りな編集として感じてしまった。 そもそもこの作品は見せたいものが多すぎる。 それにしてもこの頃のロバート・デ・ニーロの演技は神がかっている。 案外一番好きだったのは結婚式で泥酔したデ・ニーロが急に服を脱ぎながら走りだし、追いついたニックに"I must be crazy"と告げる微笑ましい一幕だ。 どうしてもこの辺りの5人の交流のシーンを長く感じてしまうが、最初の1時間があったからこそ生きる作品だったのは間違いない。 【鈴木】さん [DVD(字幕)] 7点(2016-01-25 14:24:44) |
27.見ていて痛い映画だった。見たことがなかったので、勝手に戦争もののヒューマンドラマというイメージだったが、どちらかというとロシアンルーレットの映画と言ってもいいような映画であった。ギャンブル映画のような、ロシアンルーレットの時の緊張感は圧巻。いくら大金を積まれても自分には無理だと思う。 【シネマファン55号】さん [インターネット(字幕)] 7点(2015-07-31 13:25:27) |
《改行表示》26.《ネタバレ》 その尺の長さ故に、なかなか観る決意がつかずにいた本作品。 やっぱ最初の故郷の部分はツラかったです(笑) それでも淡々とした独特な表現美と、ショッキングなシチュエーションの対比に、飽きることなく最後まで鑑賞することができました。 つまらないことですが、ボウリング場でのメリル・ストリープの女のコ女のコした(ミニスカート!)姿と立ち居振る舞いには少々ビックリ! それと無粋なこと言いますが、確率的に言って、ニックが死ぬのって6回に1回じゃないんでしょうか? ロシアンルーレットの胴元(?)と出会ってから、マイクが助けにいくまでの間生きてたなんて驚異的! 【プラネット】さん [DVD(字幕)] 7点(2015-03-29 00:05:56) |
25.《ネタバレ》 33年ぶりに再鑑賞。最初見たときはつまらなく、退屈。ただ、ロシアンルーレットのシーンのみ記憶に残った。今回見て映像の雰囲気が秀逸と感じた。鹿にが神々しさを感じた。ただ、マイケルの帰国後は普通の映画になってしまった感じ。ニックの最後もマイケルが探しに戻った時点で読めてしまう通りの展開。 【竜ヶ沢中段】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-03-25 23:11:52) |
24.ずっと戦争映画だと思っていたら意外や青春映画でした。戦争の苛烈な体験によって、ゆっくり確実に故郷の濃密な人間関係がきしんでゆく、こちらの方がテーマだったのですね。その苛烈な戦争体験の描写が充分すぎる・・衝撃すぎて以後ディアハンターを検索したらロシアンルーレットが類語として出てくるほど。私の脳内辞書ですが。ラストシーンで流れるギターの旋律が傷ついた彼らに寄り添うようで泣きました。メリル・ストリープが誰?と思うほど綺麗。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-08-08 00:53:13) |
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《改行表示》23.これで観たのは3度目くらいか?字幕なしの原語オンリーで挑戦。何度見ても慣れなくて、暗い気分にさせられる。言葉による説明を廃した細かな演出が至る所に散りばめられているとうことに、3度目の鑑賞で初めて気づいた。脚本家出身の監督らしさが出ている。最近、こういう演出をする監督がいなくなった気がする。 -- 今日、4Kレストア版を映画館で見て来た。俳優達の演技力すごいね。CGなしのサイゴンとかすごいね。スタントなしの川流れもすごいね。マイケルがグリーンベレーで、しかも最後まで除隊していないんだね。初めて気づいた。 【センブリーヌ】さん [DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2010-02-27 14:32:24) |
《改行表示》22.《ネタバレ》 ■前半のパーティーシーンが長い長い。一転してベトナムは戦闘云々はほとんどなく、いきなり牢獄からスタートするようなもの。せめて2時間半以内でまとめてほしかったなぁ。 ■ただ、米兵の非道性を描いてない、云々は、だってこの映画で描きたかったのそれじゃないでしょ、と思う。この映画は戦場へ行くことでいかに人間が壊れるか、であって、ベトナム戦争批判ではない。ぶっちゃけ何戦争でもかまわなかったと思う。 ■ロシアンルーレットはえぐいが、ロシアンルーレットが賭けとしてビジネスになってしまう方が個人的にはもっとえぐいと思う。 【θ】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-01-25 10:38:20) |
21.決して楽しくない、むしろ残酷な映画だ。でも、いいなぁと感じてしまうのは彼らの友情や青春が描かれているからだ。だから、切ないしラストが沁みた。そして、やっぱりロシアンルーレットのシーンは強烈でしたねぇ。 【雪駄】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-07-23 04:42:57) |
20.ロシアン・ルーレットはたしかに怖かったけど、鹿狩りシーンの雄大な画のほうがずっと印象に残っている。どれだけ時間とお金をこの芸術的な画のためだけに費やしたのだろう。鹿がヌッと現れるシーンなんて今だったら間違いなくCGなんだろうな。出兵前の鹿狩りの神々しい画から一転、突如現れるのが戦場シーン。動かないカメラが動き、静寂がヘリの爆音に変わる。長尺の作品の中で実に短い戦場シーンは死と隣り合わせのロシアン・ルーレットに凝縮される。帰還後には出兵前のようなバカやってる小さな幸せが無い。数十分前に映されていたはずの鹿狩り前のしつこすぎる置いてけぼりシーンが妙に懐かしく感じる。ボーリングのアホな出来事も懐かしい。長い長いダンスシーンも懐かしい。何かを奪い去り変貌させてしまう戦争の悲劇をビフォー・アフターで見せる。変わらない友情と移民同士の繋がりが取り返しのつかない「変貌」をより鮮明に浮き上がらせる。 【R&A】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-12-16 15:45:11) |
19.DVDで観ていた時は、だらだら長いなあ、と思っていたが、その後時間がたつにつれ、1つ1つの場面が思い出されてきて、自分の中で発酵していることに気がついた。もう一度、ゆっくりみてみたいと思っているが、なかなか果たせないまま5年がたった。 【みんな嫌い】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-10-13 13:25:59) |
18.皆さん書かれてますが、ロシアンルーレットの迫力はエグイ。それにしてもチミノの演出は、ねちっこい! 【ヒックス111】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2008-03-16 03:54:39) |
《改行表示》17.話題の作品ながら、今まで観賞出来なかった。 かなり重い、疲れる作品。静と動、暗と明、“間”の演出が際立っている。 ロシアン・ルーレットの凄さは圧巻。 【ご自由さん】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-03-06 23:09:53) |
16.《ネタバレ》 ベトナムに行くまで仲間同士のじゃれあいが延々と描かれる前半。これがあってこその後半なのは十分判るけど、さすがに長く感じます。戦争物というよりは純粋に友情物として観た方が正しいだろう内容。ベトナム戦争の描かれ方が意外に希薄で、まるで友情話のネタの一部分的な扱いにちょっと驚きます。そこにあるのはベトナム戦争というより、ただのロシアンルーレット。とにもかくにもロシアンルーレットで、良くも悪くも強烈に印象に残る。ベトナム戦争物というよりはロシアンルーレット物(そんなジャンルはありませんが)と言うべきなくらいに。 【MARK25】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-05-29 19:39:58) |
15.《ネタバレ》 ロシアン・ルーレットの賭け事で簡単に人々が死んでいく様が印象的。こんなにもあっさりと人の生き死にが決まっていくのか…と、戦争が生み出す人間の狂気がまざまざと表現されていると感じました。ただ、ロシアン・ルーレットの賭けのルールがうまく表現されていなかったのと、アメリカとサイゴンとの場面の入れ替わりが唐突だったのがマイナスかなぁ。 【まいった】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-05-06 04:31:26) |
14.最初のロシアンルーレットでの場面は迫真の演技でした。ただ全体的にはちょっと長すぎたかな。 |