1.石原良純さん若き日の主演作。「瀬戸内シージャック事件」をモデルに、犯人の少年を精一杯演じており、天気に目をやる余裕も無さそうですな。この役をこれ以上どう演じようもない気はするのでコレでいいのかも知れないけれど、青春一直線、ちょっと感情が前面に出過ぎの感がありやや単調な演技に見えてしまいます。最終的にバラエティ番組方面に行ったのは、ま、よかったのかな、と。
物語はだいぶ実際の事件の経緯に沿っているようですが、事件を起こすまでの部分にもかなりのウェイトが置かれていて、世間に受け入れられない若者の鬱屈なども捉えた一種の青春映画にもなってます。特に、高樹澪の存在は映画のオリジナルなんでしょうかね、物語に幅を持たせております。さらには警察側の人間模様から、狙撃手の苦悩までも作品に滲ませる、という盛り沢山の内容。
クライマックスの客船乗っ取りは、かなり大掛かりな撮影となっていて、見応えがあります。この辺りは奥山プロデューサーの意気込みの表れ、といったところか。早くも大作嗜好のようなものを感じさせます。
それにしてもお爺ちゃん役の加藤嘉さんが泣かせます。これはもう、反則モノ。