1.ワイルド・スピード第7作と並び、ポール・ウォーカーのいわゆる「遺作」(=没後に公開された作品)となった作品ですね。ワイスピ7がやや中途半端な出演(なのをいささか強引に彼にスポットライトを当てて追悼作にした)だったもんで、彼の最後の勇姿を味わうには、本作の方がよろしいかも。って言っても、コチラもそれなりに中途半端ですが。もう一人の主人公である超人的身体能力のダヴィッド・ベルとのコンビが、絶妙のナイスコンビとも言えず、好対照な凸凹コンビとも言えず、どうも色分けのはっきりしない組み合わせ。1足す1が普通に2になっただけの脈絡ないコンビがたまたま一緒に戦っている、という感じでいまいちパッとしないんですね。しかしパッとしないからと言ってツマラン訳じゃない。ダヴィッド・ベルがアクロバティックな身体能力を見せつければ、ポール・ウォーカーもまた数々のアクションを自らこなして見せてくれます。さらにカーチェイスシーンともなれば、オレに任せろ、といった感じ、アクション俳優としてのポール・ウォーカーをたっぷり堪能することができます。で、主演2人が展開するアクションというのも、実は細かいカット割りに支えられており、もう少し長回しのアクションがあってもよかったんじゃないの、とも思わないではないですが、カット割りの楽しさってのもここにはある訳です。あと、主人公2人の性格付けがはっきりしないのを補うかのように、RZAが中華包丁片手にユニークな敵役を演じてます。