《改行表示》13.結構,難解(映画とか,演劇の裏話的なものを知らないので)だけど面白かった. マイケル・キートンがかつて演じたバッドマン→バードマンなのね. 凝ったカメラワークと音楽が良かった. 【あきぴー@武蔵国】さん [DVD(字幕)] 7点(2023-04-28 00:21:06) |
12.《ネタバレ》 バードマン≒バットマン、これはもうマイケル・キートンのセルフパロディとしか思えない、もっともバードマンとは違ってキートンは2回しかバットマンを演じてませんけどね。キートンありきで書かれたこの脚本ということは、彼にとってバットマンだったことは黒歴史だったということ何でしょうか。 イニャリトゥなどの最近のメキシコ三羽烏はワンカット風撮影がほんと好きですけど、本作では初めて自分は酔いそうになりました。とくにほとんどの舞台が劇場内の狭い空間なので余計しんどかったです。監督の意図はどうなんだか知らんけど、自分にはこの映画のテーマは映画界=ハリウッドと演劇界=ブロードウェイの、お互いにマウントを獲り合う醜い争いであるような気がしています。別に下北沢に通ったことはないけど、個人的にはとくに日本の演劇界も鼻持ちならない界隈みたいで似たような感じだなと思っています、まあ日本映画界もたいがいですけどね。婆あと言っていい様なおばさん批評家が権力を持っていて、キートンの芝居を観ようともせずに映画スターとハリウッドに対する個人的な反感だけで「明日の記事で酷評して打ち切りにしてやる」と宣う、もうこりゃいじめですやん。面白いところは主役兼脚本のキートンとこのおばさん批評家はどちらもSNSとは無縁のアナログ人種で、おばさんに至ってはメモ帳みたいなものに手書きでせっせと記事を書いている。ところが娘のエマ・ストーンを通じて見せつけられるリアルでは、ブリーフ姿でブロードウェイを彷徨うキートンの動画があっという間に300万再生を超えて不振だったチケットが爆売れしてしまう。つまりハリウッドだブロードウェイだといがみあっていてもどちらもオワコンになりかけてるんだよ、と監督のイニャリトウは皮肉っているんじゃないかな。 一度観ただけでは情報量も多くて深いところまで理解しにくい作品であることは確かです。でもイニャリトゥはやがて“21世紀のフェリーニ”と呼ばれるようになるかもしれません。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-11-21 22:58:41) |
《改行表示》11.《ネタバレ》 長回しによる一発撮りのように見せるとか、やたらカッコいいドラムソロのBGMとか、そのドラマーをストリートミュージシャンとして登場させるとか、楽屋で鏡を正面に捉えながらカメラが映り込まないとか、とにかく凝った作品であることは間違いありません。スコセッシとかジェレミー・レナーとか、メグ・ライアンとか、いろいろ実名が登場するのも笑えます。 個人的にもっとも印象的だったのは、バーで批評家とやり合うシーン。双方の言い分に理があって、つい納得させられます。こういうバックステージ的な本音のぶつかり合いが、いわば〝内輪受け〟してアカデミー賞の一因になったのかもしれません。 で、主人公は都合3度にわたって自殺を図ります。それぞれ状況は異なりますが、突き詰めれば「バードマン」の呪縛から逃れたかったからでしょう。ところが結局死にきれず、むしろ本物のバードマンになってしまった。これは悲劇なのか喜劇なのか。世間の「レッテル」を象徴しているとすれば、前者のような気がします。 【眉山】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-01-28 03:39:06) (良:1票) |
10.《ネタバレ》 好きな監督の作品であることとオスカー受賞作ということ以外は何も前知識なしに鑑賞した。残念ながら正直期待したほどではなかった反面、作品賞を取った理由もわかる気がした。副題の「無知がもたらす予期せぬ奇跡」はリンゼイ・ダンカン演じる批評家が書いたレビューの一節なのだが、一言でよくこの映画のテーマを言い表しているし、この批評家がバーで主人公をこき下ろす台詞は恐らく多くのハリウッドスターが持つジレンマをそのまま語っている気がした。要するに芸術家対エンターテイナー(ここではセレブリティと言っているが)の話で、ただのセレブは芸術家になれるのだろうか?ということだ。(リー・ストラスバーグのメソッドアクティングがすぐに思い出された。)こうした「業界周りの」人間の本音が選考委員にアピールしたというパターンではないかと思う。ほんの少しだけスコセッシの「キング・オブ・コメディ」を思い出させてくれたのと、マイケル・キートンがよかったので7点にします。 【LucyO】さん [DVD(字幕)] 7点(2017-02-04 03:14:37) (良:1票) |
《改行表示》9.《ネタバレ》 バットマンが好きなので見てみました。アカデミー賞作品賞ということですが、好みが分かれる作風かなと思いまた。これは普通のアメコミヒーローファンにはきっと退屈な2時間でしょう(苦笑)あまり予備知識もなく、見たので正直もっとライトなコメディかと思ってました。 主人公は架空のヒーロー映画「バードマン」で有名な落ちぶれた元スターという設定です。演じるマイケル・キートンはティム・バートン版バットマンの人です。僕はティム・バートン版バットマンも好きですが、正直、彼を意識したことがほとんどないです。他の人に代わった時に初めて代わったなと思ったぐらいです。むしろ、バットマンより同じティム・バートン監督作の「ビートルジュース」の時の方が印象的でした。近年では「ダークナイト」のせいでティム・バートン版バットマンはなかったことにされかけてるような気がしないでもないので、本作の主人公よりもかわいそうなのかもしれません。だからこそ、本作の演技に繋がってくるのでしょう。 エドワード・ノートンの演技も良いですし、エマ・ストーンも可愛い。また、2人ともそれぞれアメコミヒーローモノ「インクレディブル・ハルク」の人と「アメイジング・スパイダーマン」のヒロインというのも面白いですね。長回しでワンカットっぽく見せる演出やドラムだけのBGMも好きです(少し疲れますが…)。 個人的には、一番好きなシーンは批評家のおばさんに食って掛かるところです。シネマレビューしている僕にも、一生懸命やっている人達がいる以上はいい加減なことは書けないなと戒めになりました。全ての批評家に見せてやりたいです。ま~、彼女と違い、僕の声は小さすぎて何の影響力も価値もありませんが(笑) 【映画の夢】さん [DVD(字幕)] 7点(2016-06-16 13:27:08) |
8.《ネタバレ》 わりと面白かった。特殊な撮り方については正直、良いとも悪いとも思わないんだけど、個性を持たせる意味では成功してる。物語は落ち目の俳優がすべてをかけた舞台に、型破りな役者が代役として入ってきたところから始まる。彼に加え、薬物依存症の娘や、しつこく付きまとう20年前に演じたバットマ…じゃなくてバードマンと、キーになりそうなのが並んでて、全く先が読めなかった。どんな結末になるんだろうとワクワクできる。で、その解釈が分かれるラストについては、そもそも舞台で死んだ説がかなりしっくり来ますね。伝説を作って、嫌味な批評家からも絶賛される。そして最後は空も飛べる…という強い願望の映像化。観る者に委ねる手法はあまり好きではないのだが、この映画に関してはこれがベターだったと思う。 【リーム555】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2016-04-24 17:40:29) |
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《改行表示》7.イニャリトゥ監督作としては、『BIUTIFUL ビューティフル』で感銘を受けた。 そしてアカデミー賞を受けた、この作品を観ることに・・・ 今までの映像重視な傾向はそのままだったが、本作はコメディ映画ということもあり、かなり趣向が異なっていた。 今までのシリアスな作風と、印象的な音楽の使い方が大好きだったが、本作においては予想通り、その期待とは異なった方向へ変化していた。 イニャリトゥ監督が、別の引き出しを出してみせた作品だったと思う。 賞を獲っているだけあって、完成度は高い。 個人的な好みだけで言えば満足はできなかったが、観る前からコメディ映画と判ってはいたので、ある意味、予想通りではあった。 ただ、ジャンルとして分ければコメディというだけで、随所に人間の生きざまが、この監督の色合いで絶妙に描かれていたとは思う。 次は賞は獲れなくても良いので、シリアス路線の作品を撮ってほしい。 特に静謐な音楽の流れる、イニャリトゥ監督ならではの美しい作品を! 【にじばぶ】さん [DVD(字幕)] 7点(2016-02-15 00:09:06) |
《改行表示》6.《ネタバレ》 全てが対立し合い激しく戦っていた。過去に栄光があった時代の自分と現在の何者でもない自分。父と娘、母。若手俳優とベテラン俳優。批評家と役者。現実と幻想。そして娯楽大作映画とそうでない映画。ワンカットで展開される舞台のように、延々と続く長回し、それぞれの争いの果てに、まるでカットをかけるかのように鳴り響く銃声。 そして全ての圧迫から開放され抜けるような青空。見上げるマイケル・キートンはバットマンのマスクをしたかのような姿であり、過去の自分と和解し全てを受け入れたように見えた。 全ての争いの答えも和解も提示されたわけではない。答えがないのが真実だし、辛い現実だと思う。しかし現実とも幻想とも捉えられる開放的なラストには不思議な爽快感、人生の肯定を感じた。 【ちゃじじ】さん [DVD(字幕)] 7点(2015-12-24 15:28:36) |
《改行表示》5.《ネタバレ》 バートン版バットマンを小さい頃に観てカッコイイの基準を作られてしまった私にとってはなんとも複雑な映画。 もともと喜劇役者とはいえバットマンを揶揄した映画でマイケルキートンをブリーフ一枚で街を疾走させるとは。 いや大いに笑わせてもらったんですがね。 映画が終わった後バットマン マイケルキートンで画像検索して在りし日の雄姿を見返してしまいました(その中にブリーフ一枚で走る画像はしっかりありましたが)。 実際の役者に合わせた役柄やってことは途中から気づいたけど、マイケルキートンってそんな落ちぶれてたかなぁ。 地味やけどいいポジションでキャリアを重ねてる気がするんやけど。 擬似ワンカット手法がもてはやされてるけど映画館でものすごく疲れて、体調が悪くなった。 音楽のドラムとマッチしてる点はよかったけどもうこの手法はこれっきりにして欲しい。 カット割りは重要やね。 【CBパークビュー】さん [映画館(字幕)] 7点(2015-08-15 02:57:29) |
《改行表示》4.◇主人公の妄想系ではブラックスワンの方が鬼気迫るものがあり、カムバック系ではレスラーには負ける。 ◇それでも、マイケルキートン演じるリーガンの自己中心的で厨二的なモガキは、伏線や演出・BGMで魅せるものがあった。 ◇最後は観る者に委ねる結末。スッキリしなくてモヤモヤしたのでマイナス1点、エマストーン演じるサムのクシャっとした笑顔にプラス1点献上。 【ハクリキコ】さん [映画館(字幕)] 7点(2015-05-04 18:52:02) |
《改行表示》3.《ネタバレ》 作品はなかなかおもろかったです。思ったのは、批評家の存在ということと、批評される側の人間達の存在ということを思いました。(どちらも、生活の糧なんだよなあ) あと、おもったのは、わたしは幼少のころからクラッシック音楽(映画音楽の親分みたいなもん)を愛しているので、こういう、ダイレクトと言うか、脳のない、使用のされかたは”?”クエスチョンマークが残る。(当然、この監督だけではないが)その曲、おまえが作曲したのかよ!と毒付きたくなるのだ。というのは、(自論)クラッシック音楽は(というか、ある種類の音楽全般)それだけで充分出来あがってしまってるの(完成品)で、別に、つまんない”映像群”なんかをひつようとしない。(ああ、おれ、なんか馬鹿なこといってるなあ)それに、音楽ながすのなら、もっと、”熟考”し、あるいは、自分でつくれよ!といいたいのだ。映画作品とはおれが言うまでもなく”総合藝術”でもあるとおもうんだ。(だからこれは、まあ娯楽か)。。。。。。。。。。 でもたぶん、この作品は”芸術”をねらってると思うので、それならばさ、”フィギュアスケート”じゃねーんだからさ、”B、G、M、!”ラフマ二、チャイコ、マーラーで一丁上がり!、じゃ、ちょいと違うんじゃねーの? って言ってんだよ!!なんかさ、惜しいね。製作者サイドの文化水準が見えちゃうというかさ、、、、、 ドラムはまあギリギリの、、、、、、なんかこう、センスが、、、、、。 【男ザンパノ】さん [映画館(字幕)] 7点(2015-04-15 02:10:09) |
2.《ネタバレ》 ヒーロー映画で大ブレイクするも、その後は鳴かず飛ばずの落ちぶれ俳優で私生活もボロボロ。そんな彼が俳優としての評価を取り戻そうとアートな舞台へ挑戦するが、といったお話ですが、それをかつてバットマンを演じ大当たりするも共演のジャック・ニコルソンに食われ、その後は堅実なもののいまいちパッとしないマイケル・キートンが演じているってのが面白いですね。彼のために書かれたかのような脚本ですが、今回もエドワード・ノートンに食われ気味で笑いました。続編やアメコミが蔓延しているハリウッド映画界や古臭い固定観念を持った閉鎖的なブロードウェイを皮肉り、優れた才能を持ったスター俳優は強欲で強烈なエゴを持ったトラブルメーカーな上にインポという、一芸に秀でただけの最低な男に描いている。そのおかげかアメリカでは業界ウケが良かったんでしょうね。 現実と空想を織り交ぜた物語ですが、最後はそれぞれが望んだ形なのかな?と思いました。リーガンは舞台で秀でた演出と演技を見せながら自殺をし、名声を得てあらゆる呪縛から解き放たれ(ワンカットも)終わり、病室での出来事はヒーローだった親父を見ていた娘や映画を見ている観客へ向けた本当に能力があったというような爽快感を感じるハッピーエンド的。いろんな解釈が出来るようになっていたり、奇抜な撮影スタイルなのはあざとい気もした。まあ観る人を選びそうな内容ですがキートンの起用が良い方向へ作用していてますね。ワンカット長回しで撮影されたかのような手法で撮られドキュメンタリータッチで、実際に劇場や舞台裏にいるかのような臨場感と緊張感に包まれていたおかげで観てて疲れました。 【ロカホリ】さん [映画館(字幕)] 7点(2015-04-11 16:58:11) (良:2票) |
1.《ネタバレ》 イニャリトゥ監督のコメディでしかもオスカー受賞ということもあって、やや期待値高めでの鑑賞でしたが、結果的にはうーん、という感じ。まず撮影についてはすごいです。劇場を中心とした密室劇的な構成なのもあるのですが、ワンカットでひたすら続くカメラワークには唸らされます。エマニュエル・ルベツキは、現在の撮影監督の最高峰といえるでしょう。そして、マイケル・キートン、エドワード・ノートン&ナオミ・ワッツのアテ書きっぽい設定だけでも楽しめるし、エマ・ストーンのちょっとスレた演技も印象的。全体に漂う皮肉っぽい独特のムードも好みです。ただ、ドタバタがドタバタしきれない消化不良な感じを終始感じていたのも確か。ちょっと捻りのきいた映像や台詞でごまかされるけど、よくよく考えてみれば、いかにもよくあるシチュエーション・コメディな展開で、そもそも「ブリーフでNYの町を歩く」って面白いのか?という気にさえなってくる。面白くはないのだけれど、人生の苦みを表現した一種の「雰囲気映画」と考えれば、まあ楽しめる作品に仕上がってると思います。 【ころりさん】さん [映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2015-03-11 15:11:04) |